はじめに>>
2013 年 1 月、東証・大証が統合する。国際的な市場間競争にさらされるなかでの生き残り策だが、個々の証券会社には存続するための企業体力を失っているところもあり、これを機に清算・廃業する動きが出てくることも予想される。
そこで、帝国データバンクは、証券会社の倒産・廃業・被合併について年度別に集計・分類し、設立時期と営業期間についても分析。また、企業概要データベース「COSMOS2」(142 万社収録)を基に、95 年度、2000 年度、2005 年度、2010 年度それぞれの売上上位企業のリストを作成。旧4大証券、準大手証券、中堅・中小証券、外資系証券、オンライン証券と規模別・業態別に分類し、その分布が過去 15 年間でどのように推移したかを分析、併せて売上高、利益の推移と損益状況も調べた。
証券会社の実態調査は今回が初めて。
※ 廃業には解散、清算、休業、休眠、登録取消を含む。
調査結果(要旨)
1.これまでに 147 社の倒産・廃業・被合併が判明した。そのうち法的整理を行った証券会社はわずか 11 社にとどまる。被合併が 79 社、廃業が 56 社あり、両者併せて全体の 9 割を占めた。
2.過去の推移をみると 2001~2005 年が 49社ともっとも多い。バブル崩壊後の市況低迷、90 年代末の金融危機、加えて規制緩和やビジネスモデルの革新による大きな環境変化があり、多くの証券会社が退場を余儀なくされた。その中には業歴 30 年以上の老舗が 79 社含まれている。
3.業界上位 30 社の顔ぶれは、過去 15 年間で大きく入れ替わった。95 年度には旧来のが判明しない8社を除く139社ベース 業界秩序が完全に保たれていたが、2010 年度は外資系証券、オンライン証券が躍進し、旧4大証券、準大手証券、中堅・中小証券の地位が低下している。

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