スマートフォンなどデジタル機器の普及やソーシャルメディアの利用者増大を背景に、インターネット上での炎上や誹謗中傷、情報漏えいなどトラブルが頻発している。大手企業を中心にデジタルリスク対策の需要が高まるなか、この分野の先駆者として、独自の炎上データベースを活用した検知システムによりソーシャルリスクの検知から、危機管理ガイドライン策定、発生時のクライシス対応まで一貫したサービスを展開するのが株式会社エルテスである。大学在学中に起業し、若手経営者としても注目を集める代表取締役社長の菅原氏に、上場までの経緯やベンチャー企業トップとしての取り組みを聞いた。
ー上場に向け転機となったタイミングをお聞かせください
創業10周年を迎えた2014年に、今後より大きなビジネスに取り組むために上場が必要と考えました。当社のビジネスでは、機密性の高いデータを扱うため「信用力」が不可欠です。事業の蓄積から相対的な信用力は得ていましたが、さらに強化するためのミッションとして上場することを掲げました。
ー上場準備にはどのように取り組まれましたか
かつては私自身で資金繰り全般を管理していましたが、2014年に入社した現取締役管理部長に一任したほか、実務に精通した会計士が監査役におりましたので、上場準備は概ねスムースでした。