レポート北海道・本社移転動向調査(2021年)

北海道の本社転入出は19年ぶりに転入超過 首都圏からの移転が急増

2022/07/11
設備投資

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大で、本社機能や主要拠点が首都圏に集中することの脆弱性が改めて認知された2021年。足元では、在宅勤務が定着するなか、本社など主要拠点を都市部から地方に移転・分散する動きが急速に進んでいる。

帝国データバンク札幌支店では、2021年に都道府県を跨いだ「本社所在地の移転」が判明した企業(個人事業主、非営利法人等含む)について、保有する企業概要データベースから業種や規模が判明している企業のうち、北海道の転入出企業を対象に分析を行った。

なお、今回の調査における「本社」とは、実質的な本社機能(事務所など)が所在する事業所を指し、商業登記上の本店所在地と異なるケースがある。また、本社機能分散化などに伴う移転も含まれる。

調査結果

  1.   2021年に北海道外から道内へ本社または本社機能を移転した「転入企業」は36社判明、前年(10社)から3倍超の大幅増加となった。これまで最多だった1992年と2002年の18社を大幅に上回り、過去最多を更新。移転元の約7割を「東京都」(26社)が占め、「神奈川県」(5社)、「千葉県」(1社)、「埼玉県」(1社)を加えた首都圏からの転入は33社でコロナ前の2019年(7社)から急増した
  2.   道内から道外へ移転した「転出企業」は前年(21社)の約1.5倍にあたる31社で2016年の29社を上回り過去最多を更新。この結果、2021年における北海道の本社移転動向は、転入社数が転出を5社上回る「転入超過」となった。北海道で転入超過となるのは2002年以来19年ぶり
  3.   2021年に道内へ転入した36社を業種別にみると、「サービス業」(19社)が最多だった。次いで「製造業」(5社)が続く。一方、転出企業31社のうち、最も多かったのも「サービス業」(13社)だった
  4.   2012~2021年の累計では、道内への転入が151社、道外への転出が250社で、99社の転出超過となった。都道府県別の転出超過数をみると、北海道は東京都(1151社)、大阪府(561社)に続き3番目に多い
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先

担当部署

お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 札幌支店情報部 TEL:011-272-3933 FAX:011-272-3934