レポート事業承継に関する近畿企業の意識調査

事業承継、企業の71.7%が「経営上の問題」と認識 ~ 事業承継の実施、企業の3割で5年後の業績にプラス影響 ~

はじめに

中小企業庁は、7月に今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間とする「事業承継5ヶ年計 画」を策定した。日本経済が継続的に発展を続けていくためには、永続的に企業を存続・発展させ、雇用や技術、暖簾(のれん)を後の世代に伝えていくことが必要不可欠といわれる。一方で、経営者の高齢化や後継者難が問題となる場合もしばしば指摘されている。

そこで、帝国データバンク大阪支社では、事業承継に関する企業の見解について調査を実施した。

なお、 本調査は、TDB景気動向調査2017年10月調査とともに行った。

■調査期間は2017年10月18日~31日、調査対象は近畿地区の企業3,756社で、有効回答企業数は1,732社(回答率46.1%)。

■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(https://www.tdb-di.com/)に掲載している。

調査結果

  1. 事業承継への考え方について、「経営上の問題のひとつと認識している」企業が58.0%と半数を超え、「最優先の経営上の問題と認識している」(13.7%)と合わせると、約7割の企業が事業承継を経営上の問題として認識。「経営上の問題として認識していない」は17.8%
  2. 事業承継の計画の有無について、「計画はない」が27.5%で最も高い。次いで、「計画があり、進めている」(23.6%)、「計画はあるが、まだ進めていない」(19.8%)が続き、計画がある企業は合計43.4%となった。「すでに事業承継を終えている」企業は16.3%。社長の年齢が上昇するにつれて、計画を進めている企業の割合は増加傾向
  3. 「計画はあるが、まだ進めていない」「計画はない」理由では、「まだ事業を譲る予定がない」が37.4%で最も高い(複数回答)。次いで「後継者が決まっていない」(33.1%)、「自社には不要(必要性を感じない)」(20.0%)、「自社株など個人資産の取扱い」(16.8%)が続いた
  4. 「すでに事業承継を終えている」企業の業績への影響では、翌年度に「プラスの影響があった」は25.6%だったものの、「影響はなかった」が60.2%で半数超に。5年後では、「プラスの影響があった」は30.8%に上昇した一方、「マイナスの影響があった」は3.8%に低下
  5. 事業承継を円滑に行うために必要なことでは、「現代表(社長)と後継候補者との意識の共有」が61.7%で最も高い(複数回答)。以下、「経営状況・課題を正しく認識」(46.0%)、「早期・計画的な事業承継の準備」(44.7%)、「早めに後継者を決定」(43.9%)が4割台で続いた
詳細はPDFをご確認ください

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