レポート神奈川県下メーンバンク調査(2017年)

横浜銀行が20.6%でトップ、6年連続でシェアを拡大 ~ メガ離れ進み、横浜信金が三井住友銀を逆転 ~

2017/12/14
資金繰り  金融

はじめに

2017年も引き続き、地方銀行の大型再編が相次いで発表された1年だった。2月には三重県を経営地盤とする第三銀行と三重銀行が経営統合を発表。3月には近畿で関西アーバン銀行・近畿大阪銀行・みなと銀行の3行が、4月には北陸で第四銀行と北越銀行の2行がそれぞれ経営統合することを発表した。

北海道拓殖銀行の経営破たん以降、金融機関同士の経営統合・再編は大手銀行が中心になって行われてきた。しかし、近年は日本銀行のマイナス金利政策による貸出金利低下や人口減少のほか、フィンテック等の技術革新を通じた異業種の金融分野進出による新たな金融競争の発生などにより、地域金融機関でも業界再編の必要性に迫られている。こうしたなかで急速に進展する地域金融機関同士の経営統合では、特に地域の中小企業に対する金融サービスへの影響も懸念され、企業と金融機関との関係性に変化が生じる可能性もある。

帝国データバンク横浜支店は、2017年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録、特殊法人・個人事業主含む)のうち、神奈川県内企業(7万1379社)がメーンバンクと認識している金融機関について抽出し、集計した。なお、同調査は2016年12月に続き8回目。

■本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有している企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメーンとして認識する実数とは異なる。また、一企業に複数のメーンがあるケースでは、企業が最上位として認識している金融機関をメーンバンクとして集計した。

調査結果

  1. 神奈川県下のメーンバンク第1位(企業数)は8年連続で「横浜銀行」。6年連続でシェアを拡大し、同行をメーンバンクとする企業が全体の20.6%を占めた。次いで、それぞれシェアを縮小しながらも第2位に「三菱東京UFJ銀行」、第3位に「みずほ銀行」のメガバンク2行が入り、前回とトップ3の順位には変動がなかった。一方、調査開始以来、7年連続で第5位だった「横浜信用金庫」がシェアを拡大し「三井住友銀行」を逆転し、第4位に浮上した。
  2. 県内企業の売上規模を6つに分類し、メーンバンクを調べたところ、5分類でトップは「横浜銀行」だった。売上高「50億円以上」では「みずほ銀行」が24.4%のシェアを占めトップとなったが、第2位の「横浜銀行」との差は縮小した。
  3. 業種別トップは7業種(建設、製造、卸売、小売、不動産、運輸・通信、サービス)全てで「横浜銀行」が占め、かつ、全業種でシェアを伸ばした。建設業は「横浜銀行」、「横浜信用金庫」、「川崎信用金庫」の県内3行が上位を独占した。
  4. 業態別は、第2地銀では「八千代銀行」、信用組合では「相愛信用組合」が高いシェアを保つ。
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