レポート道内企業「後継者不在率」動向調査(2020年)

「後継者不在率」 は72.4%、全国平均を7.3ポイント上回る ~ 「同族承継」による事業承継は低下傾向に ~

はじめに

地域の経済や雇用を支える中小企業。しかし、近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多い。日本政策金融公庫の調査では、60歳以上の経営者のうち50%超が将来的な廃業を予定。このうち「後継者難」を理由とする廃業が全体の約3割に迫る。

後継者が不在であるなか、新型コロナウイルスによる業績悪化などが追い打ちとなり事業継続を断念するケースも想定され、その回避策として事業承継支援が今まで以上に注目されている。中小企業庁が2017年7月に事業承継支援を集中的に実施する「事業承継5ヶ年計画」の策定を皮切りに、中小企業の経営資源の引継ぎを後押しする目的で開始した「事業承継補助金」の運用など、円滑な事業承継に向けた積極的な支援が進んでいる。

帝国データバンク札幌支店は、2020年10月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)及び信用調査報告書ファイル(約180万社収録)をもとに、2018年10月~2020年10月の3年を対象として、事業承継の実態について分析可能な道内1万698社の後継者の決定状況と事業承継動向について調査を行った。

調査結果

  1.   2020年における後継者不在率は72.4%となり、前年比0.5ポイント低下した。道内における後継者不在率は緩やかながらも3年連続で低下することとなった。但し、全国(65.1%)を7.3ポイント上回り、地域別にみると全国9地域中最も高い水準となるなど、依然として高い水準で推移している
  2.   2020年の事業承継は「内部昇格」により引き継いだ割合が37.0%を占め最も多く、「同族承継」により引き継いだ割合(29.9%)を7.1ポイント上回った。「内部昇格」型の承継は上昇傾向にある一方、「同族承継」による承継は低下傾向を辿っている
  3.   後継者候補では「子供」が最も高く51.0%。全国を10.6ポイント上回る
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