レポート2018年度の賃金動向に関する埼玉県企業の意識調査

賃金改善、過去最高の6割が見込む ~ 賃金改善の理由は「労働力の定着・確保」が83.9% ~

2018/03/02
雇用・人材  アンケート

はじめに

2017年の景気は「回復局面」とする企業が4年ぶりに2割を超えたうえ、「悪化局面」も1ケタ台に低下し(「2018年の景気見通しに対する埼玉県企業の意識調査」)、概ね上昇傾向で推移した。また、政府は賃上げを行った企業に対する優遇措置を盛り込んだ税制改革を打ち出すなど、賃金改善の動向がアベノミクスの成否を決定づける重要な要素として注目される。

このようななか、帝国データバンク大宮支店は、2018年度の賃金動向に関する埼玉県企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年1月調査とともに行った。

■調査期間は2018年1月18日~31日、調査対象は県内企業942社で、有効回答企業数は361社(回答率38.3%)。

■賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって賃金が改善(上昇)することで、定期昇給は含まない。

調査結果

  1. 2018年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は60.1%で過去最高を更新。前回調査(2017年度見込み、2017年1月実施)を3.3ポイント上回った。「ない」は15.8%にとどまり、2018年度の賃金改善は概ね改善傾向にある。
  2. 賃金改善の具体的内容は、ベア49.0%(前年度比5.6ポイント増)、賞与(一時金)35.2%(同1.9ポイント増)。ベア・賞与(一時金)とも過去最高を更新。
  3. 賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が83.9%と2年ぶりに増加。人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向は一段と強まっている。「自社の業績拡大」(47.9%)が2年ぶりに増加するなど、上位5項目はいずれも前年を上回った。改善しない理由は、「自社の業績低迷」(52.6%)が最も高い。次いで「内部留保の増強」(29.8%)は大幅に増加、「同業他社の賃金動向」(22.8%)は微増。
  4. 2018年度の総人件費は平均2.95%増加する見込み。業界別では小売(4.32%)、建設(3.66%)、不動産(3.43%)の順で、運輸・倉庫(2.29%)が低い。
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