レポートTDB景気動向調査2020年9月(近畿ブロック・概要)

2020/09/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

29.5

1.4

4カ月連続改善ながら全国10ブロックの最低に

概況

『近畿』の景気DIは4カ月連続で改善したが、インバウンド需要の消失や輸出減少が影響し、「京都」「大阪」が『近畿』の平均を下回る。全国よりも改善の勢いが弱く、鉄鋼や繊維業界には停滞感が広がり、観光や飲食業界もこれまでの不振を引きずっている。当面は企業業績悪化にともなう「設備投資意欲の低下」(建設、兵庫県)が続くうえ、緊急事態宣言期間中の営業機会損失が表面化する見通しの『建設』には暗雲が立ち込める。「今年後半のイベントが多い」(出版・印刷、大阪府)などの好材料もあるが、本格回復には時間を要しそうだ。

景気DI

『近畿』は前月比1.4ポイント増の29.5と、4カ月連続で改善した。府県別では「京都」を筆頭に全6府県が改善、業界別では10業界中9業界で改善したものの、水準および改善幅は全国(31.6、同1.9ポイント増)を下回り、全国10ブロック別順位は2017年7月以来3年2カ月ぶりに最下位に転落した。

規模別DI

「大企業」(前月比1.4ポイント増)が2カ月ぶりに改善、「中小企業」(同1.4ポイント増)は4カ月連続で改善した。改善幅は両者とも同等で、規模間格差は3.7ポイントのまま変わらず。「小規模企業」(同1.9ポイント増)も4カ月連続で改善した。

業界別DI

個人向けサービスは低調ながら、企業向けサービスが回復傾向にある『サービス』が2カ月ぶりに改善。鉄鋼や繊維分野が停滞しつつも、飲食料品を中心に売り上げが回復する『卸売』や『製造』も改善が継続している。他方、「産業系貨物が低位のまま」(兵庫県)との声があった『運輸・倉庫』が唯一、悪化した。

先行き見通しDI

3カ月後(前月比2.0ポイント増)、6カ月後(同2.9ポイント増)、1年後(同2.2ポイント増)の3指標が揃って改善するのは2カ月連続。1年後の見通しDIは7カ月ぶりに40台を回復した。各府県、各業界とも回復傾向での推移を見込むが、『建設』の3指標は3カ月後をピークに先行きが悪化する特異な結果に。

「近畿ブロック(2020年9月)」の詳細