はじめに
ポストコロナに向けて経済活動が本格化するなか、多方面で表面化した人手不足への対応などを背景に、業績好調な企業・業界を中心に賃上げなどの待遇改善で人材を確保する動きが進んできた。2023年度における上場企業の給与水準は平均651.4万円となり、過去20年間で最高額を更新した。厚生労働省が集計した、民間主要企業における2023年の平均賃上げ率(3.6%)を上回った上場企業も全体の3割超を占め、大幅な賃上げの動きが上場企業で加速した。
2024年度は物価高などを理由に初任給など給与テーブルを大幅に引き上げる事例が目立つほか、パート・アルバイトも含めた時給の引き上げに動く企業も出ており、待遇改善で人材確保を図る傾向が一層強まっている。企業業績や収益改善のペースは各企業によって差異があるものの、33年ぶりの水準に達した春闘を経て、上場企業の24年度平均年間給与は上昇するとみられる。
■有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある全上場企業を対象に調査を行った。持ち株会社などの業態、社員数などで対象を限定していない。業種分類は金融庁の定めに準じた
調査結果
1 「上場企業」社員の23年度平均給与は651万円、過去20年で最高値を更新
2 「東証プライム」上場企業は平均700万円超、全市場平均で最高額
20240806_上場企業の「平均年間給与」動向調査(2023年度決算).pdf