レポートロシア・ウクライナ情勢による栃木県内企業の仕入れへの影響調査
ロシア・ウクライナ情勢で48.1%が「仕入確保」に影響、72.6%が「価格」に影響 ~ 販売価格への転嫁、51.0%にとどまる ~
はじめに
ロシアのウクライナ侵攻開始から2カ月が経過し、その影響は様々な局面で顕在化している。原油や原材料価格の高止まり、そして更なる高騰も懸念され、現状は流通レベルの問題が中心の混乱だが、今後は生産段階の問題も絡み、供給量の絶対数が不足する構造的な大問題にもなりかねない事態だ。すでに栃木県内の中小企業からも、深刻な事態が報告されており、大きな経済問題に発展している。 ロシアが供給する38項目もの輸入禁止、更なる追加制裁などを考慮すると、早期の問題解決は難しく、先行きは全く見通せない状態であり、中小企業の事業存続が懸念されている事態と言えるだろう。
そこで、帝国データバンク宇都宮支店は、栃木県内企業におけるロシア・ウクライナ情勢による原材料や商品・サービスなどの仕入れへの影響について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年4月調査とともに行った。
■調査期間は2022年4月15日~30日、調査対象は栃木県内企業349社で、有効回答企業数は135社(回答率38.7%)
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
- 栃木県内企業における、ロシア・ウクライナ情勢により、原材料や商品・サービスの仕入数量の確保面で『影響を受けている』企業は48.1%と、約半数に達している。他方、原材料や商品などの価格高騰の面で『影響を受けている』企業は72.6%となり7割を超えた
- 業界別の状況をみると、仕入数量の確保面で『影響を受けている』企業は、「建設」65.5%、「製造」55.8%が比較的大きな影響があり、仕入価格の面では、「製造」83.7%、「建設」82.8%、「卸売」68.0%などが上位を占めた。同一業界であっても、扱う品目で格差が生じている様子も確認できる
- ロシア・ウクライナ情勢により仕入れ関連問題に直面している県内企業が実施している対策は、「原材料や商品価格上昇分の販売価格への転嫁」が51.0%でトップ。次いで、「調達先の変更(国内)」(14.3%)、「調達ルートの変更」および「数量確保できない分の価格の上乗せ」(12.2%)などが続いた。他方、検討している対策についても「原材料や商品価格上昇分の販売価格への転嫁」(40.8%)が最も高く、「調達先の変更(国内)」(23.5%)、「代替品への切り替え」(22.4%)、「数量確保できない分の価格の上乗せ」(21.4%)などが上位に並んだ。また、県内企業の6.1%で、「自社生産拠点の日本国内への回帰」の実施を検討していることも分かった
詳細はPDFをご確認ください

Contact Usお問い合わせ先
担当部署
お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 宇都宮支店 TEL:028-636-0222 FAX:028-633-5639