レポート

群馬県内の「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査

コロナ倒産は150件、負債総額は400億円に迫る ~ 倒産件数、負債総額とも「前橋市」が依然最大 ~

調査結果

  1. 2023年9月19日現在、新型コロナウイルスの影響を受けた群馬県内の倒産(法的整理・事業停止、負債1000万円未満・個人事業者含む)件数は150件に達した。負債総額は394億3000万円に達し、400億円に迫っている。1社あたりの平均負債額は2億6200万円。負債額別では「1000万円~1億円未満」が67件で最多となった。次いで「1億円~5億円未満」(57件)が続いた。10億円以上の大型倒産は10件で、(株)綜合プランニング(不動産賃貸)が40億6000万円で最大となった
  2. 新型コロナウイルス関連倒産が最初に発生した2020年以降の年毎の倒産発生件数は、2020年が11件(最初に発生した4月から12月まで)、2021年が32件となった。2022年は44件に達した。2023年に入ってから9カ月弱を経過したところだが、既に63件に達しており、2022年1年間の件数を大きく上回っている(事業停止でカウントしていた企業が法的整理に移行した場合、法的整理日でカウント)。本県の経済においてコロナ禍の影響は薄れているが、新型コロナウイルス関連倒産の発生は加速している
  3. 業界別では『製造』が34件(22.7%)と最多であった。次いで『サービス』の33件(22.0%)、『小売』の30件(20.0%)が30件台で続いた。県内主要産業である『製造』が最多、旅館・ホテル、医療・福祉関連などを含む『サービス』が2番目に多い結果となり、『製造』及び『サービス』の倒産が前回調査に引き続き多いことに変わりはなかった
  4. 地域別では「前橋市」が37件(24.7%)で引き続き最多となり、群馬県全体のほぼ4分の1を占めた。次いでここ数ヶ月倒産発生が目立つ「伊勢崎市」が26件(17.3%)で続き、前回2番目に多かった「高崎市」(24件、16.0%)を上回った。負債額別でも「前橋市」が165億4900万円(42.0%)で最大となった。次いで「伊勢崎市」(68億1700万円、17.3%)、「沼田市」(42億2800万円、10.7%)が続いた
  5. 群馬県内の倒産は政府や自治体の経済対策、金融機関の支援などにより抑制されてきたが、2023年に入り急増し、新型コロナウイルス関連倒産も増加が加速している。新型コロナは季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、行動制限を始め様々な規制が緩和となり、コロナ禍自体に対する危機感は薄らいでいるものの、コロナ禍の影響で体力が弱まった企業に、原料高やエネルギーコストの高騰で収益が圧迫されたり、人手不足で営業機会が逸失したりといった問題に直面している企業が多い。加えて、ゼロゼロ融資の返済が本格化していることも倒産の増加要因となっていよう。こうした状況から、今後もあきらめ倒産や物価高倒産などと連動した新型コロナウイルス関連倒産の増加基調が継続していく可能性が高く、県内の倒産動向を注視する必要があろう
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