レポート改革の進展なくして政権の存続あり得ず

2007/09/06

大和

2007年10月1日、「日本郵政」が発足する。


小泉前首相が構造改革の本丸として位置づけた郵政民営化は、郵政解散から丸2年が経過しようやく実現へ向かうが、参院選による安倍自民党の惨敗によって、旧来のバラマキ型の政策を復活させようとの勢力が再び台頭し始めている。


2007年8月のTDB景気動向調査では、政府の構造改革に対する意識調査を実施し、今後も構造改革が「必要」との声が6割超を占めた。企業からは、「構造改革は必要である。国民に痛みを押し付けるだけでなく、政府自ら議員削減や省庁再編を先行すべき」(建築工事、東京都)との声のように、政府や官公庁にとっても厳しい改革を望む声が多数聞かれた。


一方、地域間格差の拡大に対する懸念は根強い。


しかし、格差対策として求める政策では「中小企業支援策」や「企業誘致の活発化」が上位に位置し、バラマキ型の復活を求める声は全体の3割にとどまった。


景気DIの低迷が続く北海道の企業からも、「経済のグローバル化は止めることが出来ない。よって、地元企業の活性化、企業誘致、各自治体独自の広い意味での産業政策が必要である。公共工事やふるさと納税は根本的な原因の解決にはならない」(保険代理店、北海道)との意見が挙がっており、地方が自立できるための構造的な改革を強く望んでいる様子がうかがえる。


安倍政権が国民の支持を得ながら構造改革を進めるためには、官公庁や特殊法人改革など、税金の無駄遣いを徹底して排除する政策を打ち出すことが不可欠である。


改革の必要性を訴える企業の声を聞かずして、政権存続はあり得ない。

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