はじめに
今年5月1日には元号が「令和」へと改元され、約30年間続いた「平成」時代はその歴史に幕を下ろした。平成時代を振り返ると、高い経済成長率を誇った昭和時代から一変、バブル経済の崩壊とその後遺症の苦しみから始まり、経済の低迷と再生に喘いだ時代だったと言えよう。
不良債権を抱えた金融機関の破綻から始まった平成不況は、今日まで続く景気の冷え込みや賃金抑制、雇用体系の変化を招いた。また、相次ぐ大災害、未曾有の金融危機だったリーマン・ショックも重なった。この間、記録的な円高や海外新興国の台頭で製造業など第二次産業は「空洞化」が進み、日本経済は「失われた20年」とも「30年」とも表現される長い低成長時代を経験した。
さらに、全国規模で企業グループの再編、統合などが進み、県内企業の一部もその波の影響を受けた。業容を拡大した企業、逆に縮小した企業、また、県外から転入した企業、逆に県外に転出した企業、市場からの退場を余儀なくされた企業などもあり、県内産業構造は、平成30年間のなかで大きく変容した。
帝国データバンク大宮支店は、保有する企業概要データベース「COSMOS2」を用いて、1989年(平成元年)~2018年(平成30年)の過去30 年間について、埼玉県内の企業売上高ベースの産業構造の変化を調査・分析した。
■調査対象の業種は、帝国データバンクの業種分類に準じた(「電気・ガス・水道・熱供給業」「金融・保険業」「公務」を除く)
■構成比の比較対象は、各年末に判明した各企業の「売上高」をベースとした
調査結果
- 1989年~2018年間の平成30年間における埼玉県の産業変遷を見ると、全9業種のうち構成比が拡大したのは「建設業」「小売業」「運輸・通信業」「サービス業」の4業種。縮小したのは「製造業」「卸売業」「不動産業」「鉱業」の4業種。「農林水産業」は横ばい。
- 業種中分類別で売上高構成比が最も大きく拡大したのは、「飲食料品小売」(平成元年:2.5%→平成30年:4.8%、2.3ポイント増)および「職別工事」(平成元年:1.9%→平成30年:4.2%、2.3ポイント増)。縮小したのは「飲食料品卸売」(平成元年:6.1%→平成30年:3.1%、3.0ポイント減)。
- 売上高構成比が最も拡大した業種は「サービス業」(平成元年:7.7%→平成30年:23.3%、15.6ポイント増)。縮小したのは「製造業」(平成元年:35.6%→平成30年:23.4%、12.2ポイント減)。
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