レポート栃木県内企業「休廃業・解散」動向調査(2023年)

2023年に消滅した県内企業938社 ~ コロナ禍の影響鮮明、「製造業」「小売業」で急増 ~

2024/01/26
倒産・休廃業

はじめに

2023年の栃木県における企業倒産は131件と、前年比15.9%の増加傾向を示した。1年間を振り返れば、年初はまだ新型コロナ第8波の影響が色濃く残っていたが、5月に感染症法上の位置付けが5類に移行され、社会経済は一気に正常化に向かった。しかし、活性化に水を差すように物価高に伴う原価の高騰、人件費をはじめとするコストアップ、為替相場の不安定など、様々な向かい風を受け、一方ではゼロゼロ融資の返済が佳境を迎えるなか、県内企業は荒波に翻弄され、結果として「返済は不可能」という結論を出す企業が増えたことが要因と考えられる。先の見えない不安感はさらに高まっていると言えるだろう。毎年集計している、「企業の消滅」についてのレポートだが、この1年でどのような変化となったのか、非常に興味深いところだ。
そこで、帝国データバンク宇都宮支店では、2023年の「休廃業・解散」の実態を確認することで、栃木県経済の担い手である県内企業にどのような変化があったか分析を行った。なお、本調査は2023年1月に続いて12回目。

■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(「みなし解散」は除く)を確認した企業の総称である。調査時点で休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計することもある

調査結果

  1.   栃木県内企業における2023年の「休廃業・解散」企業(個人事業主も含む)は807社、法的整理を行った「倒産」企業131社を含めると、1年間で938社の企業が消滅したことになる。休廃業・解散率は3.76%、1日当たり約2.6社の企業が消滅している。また、「休廃業・解散」した企業の54.8%が「黒字企業」で、事業環境悪化による「あきらめ廃業」が目立つ
  2.   休廃業・解散した企業を業種別で見ると、「建設業」が130社で最多、以下「サービス業」82社、「小売業」70社、「製造業」63社と続いた。また、代表者年代別の占有率では、「70代」が41.4%で最多、以下「80代以上」21.2%、「60代」19.3%と続いた
  3.   市郡別での状況は、「宇都宮市」が最多の226件、以下「小山市」69件、「足利市」67件、「栃木市」65件、「佐野市」59社と続いた。休廃業・解散率では、「那須郡」が4.98%で最も高く、次いで「芳賀郡」が4.72%、「小山市」4.31%などが高水準であった


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