景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
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45.8 | ▲ 0.8 | 9カ月連続で前年同月を下回る |
概況
「石川」の景気DIは、2カ月連続の悪化で、前年同月比では9カ月連続で下回った。金沢市を中心にインバウンド消費需要は回復基調にあり、景況感は改善傾向が続いている。一方、奥能登地区では、県が行った調査で地価の大幅な下落が判明しており、震災による被害の深刻さが浮き彫りとなった。さらに復興事業が進む9月中旬には豪雨災害に見舞われたことで、復興事業の進捗悪化や人口のさらなる流出が懸念される。国内情勢では自民党総裁の交代もあり、当地復興事業にどのような影響を及ぼすかも含め、今後も継続的な観察が肝要であろう。
景気DI
「石川」の9月の景気DIは、前月比0.8ポイント悪化の45.8となった。2カ月連続の悪化で、前年同月比では、今年に入ってから一度も上回ることなく9カ月が経過した。都道府県別順位は前月より順位が1つ上がり6位となったほか、全国との比較では7カ月連続で上回ったが、格差は縮まってきている。
規模別DI
「大企業」のDIは3カ月ぶりの改善で分水嶺の50.0(前月49.2)まで回復した。「小規模企業」は43.9(同43.8)で改善した一方、「中小企業」では44.7(同45.9)で1.2ポイント悪化した。そのため、大企業と中小企業の格差は前月の3.3ポイントから2.0ポイント拡大の5.3ポイントとなった。
業界別DI
8業界のうち3業界でDIは悪化した。特に3カ月連続で悪化した『建設』では、能登半島地震の復興需要がある半面、進捗に時間を要している状況に追い打ちをかけた豪雨災害も影響したとみられる。『卸売』では前月の反動もあり、大きく低下した。一方で、インバウンド消費需要の回復で、『小売』『サービス』は改善した。
先行き見通しDI
「3カ月後」46.7(前月48.7)、「6カ月後」47.1(同49.0)、「1年後」48.0(同50.7)で、3指標ともに2カ月連続で悪化した。復興事業などへの期待感から、各指標ともに現在の景気DIよりも高く、1年後への期待感が12カ月連続で最も高くなったものの、分水嶺の50を3カ月ぶりに下回った。