レポート全国未上場スーパーの売上高動向調査

上位2社は2期連続減収~被災地は震災特需に期待~

2011/08/22
流通

はじめに

2011年上半期のスーパー売上高(日本チェーンストア協会発表)は、前年同期比0.3%減の6兆1852億円となり、15年連続のマイナスとなった。震災後の行楽の自粛ムードや食料品の買いだめなどの反動を背景に4月以降前年を若干下回ったが、ここに来て被災地の東北地方で復興による需要が回復して来ている。こうしたなか、2011年3月には流通大手のイオングループは、グループ会社の合併・再編などを行うなど、積極的な地域密着を推し進める意向を示している。一方、地域に根ざした食品スーパーでも、地方の垣根を越えた経営統合や合併が進んでいる。高齢化や少子化による人口減少に加え、震災後の風評被害など、スーパーマーケット業界への荒波に対して、全国各地で同業者間の競争の激化は必至で、各業者は次なる対応を迫られている。
こうしたことから、帝国データバンクは、売上高200億円以上の地場で活躍する全国の主な未上場スーパーを企業概要データベース「COSMOS2」(139万社収録)より120社抽出し、最新期の2010年度(2010年4月期~2011年3月期)を含め3年間の売上高動向を調査、分析した。また、今年7月までのスーパー経営企業の倒産動向についても調査した。

なお、今回集計したのは全国の未上場スーパーで2010年度を含め3期分の決算数値が公表され、売上高が判明している企業を対象とした。また、決算期変更による変則期の売上高は年換算して比較した。

調査結果(要旨)

1. 売上高200億円以上の全国未上場スーパーは120社であった。120社の2010年度の売上高総額は10兆1901億6500万円と、2009年度の10兆2577億4600万円に対して0.66%減少。
2. 未上場スーパーで売上高トップは、イオン系列のイオンリテール(株)、2位はセブン&アイ・ホールディングス系列の(株)イトーヨーカ堂。3位にはセブン&アイ・ホールディングス系列の(株)ヨークベニマルが入った。しかし、上位2社は2年連続で減収が続いている。
3. 震災後の買いだめによる特需は限定的で、2011年1月~7月のスーパー倒産件数は39件と、前年同期比8.3%増で推移。負債総額は127億2100万円と前年同期比50.0%減となり、倒産の小規模化が目立つ結果となった。

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