レポート食材宅配企業の経営実態調査

食材宅配企業の売上高、2 年間で5.0%増~ 黒字企業数は頭打ち、収益性確保が今後の課題 ~

2011/09/29
サービス

はじめに

日本生協連が9 月21 日に発表した「2010 年度 生協の経営統計」によると、個人宅への宅配による供給高が店舗での供給高を初めて上回った。近年、女性の社会進出や過疎・高齢化による「買い物弱者」の増加を背景として、宅配サービス市場への注目が高まっている。
帝国データバンクでは、信用調査報告書(151 万社収録)および企業概要データベース「COSMOS2」(140 万社収録)などをもとに、主に食材を取り扱う小売業者から2010 年度(2010 年4 月~2011 年3 月)および前2 期の業績が判明した9057 社を抽出。うち宅配サービス対応と判明した食材宅配企業2058 社について、業績を比較した。
なお、「食材宅配企業」に関するレポートは今回がはじめてとなる。

※1 宅配サービスには、インターネットショッピングやネットスーパー、電話・FAXなどからの発注に応じて宅配を行うサービスに加えて、店頭で購入した商品を自宅まで宅配するサービスが含まれる
※2 レポート内の業績値は全て、宅配事業単体ではなく企業全体の業績数値

調査結果

1. 食材宅配企業2058 社の売上高合計は、2008~2010 年度で5.0%増、宅配非対応の食材小売企業6999 社の1.6%増を3.4 ポイント上回り、食材宅配企業の方が業績を伸ばしていることがわかった
2. 損益が判明した408 社のうち、2010 年度に黒字となった企業数は297 社で72.8%を占めたものの、2008 年度の336 社(82.4%)からは減少した
3. 規模別では、売上高「1000 億円以上」の企業が売上高8.1%増で増収率トップ。一方、小規模の「1 億円未満」では11.5%減となった
4. 宅配対応率を比較すると、規模別では売上高「100 億円以上」の規模で3 割を超えた。主品目別では「米穀類」の48.2%がトップ

20110929_食材宅配企業の経営実態調査.pdf

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