■四国ブロック
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
41.4 | 1.1 | 2カ月連続で改善 |
・概況
『四国』の景気DIは、2カ月連続で改善した。企業からは「ネコ砂の需要が拡大基調にある」(製造、高知県)や「深刻な人手不足だが仕事は多い」(サービス、香川県)など好況な声が聞かれる一方で、「電力・原材料・物流費・人件費などのコスト増を販売価格へ転嫁することは容易でない」(製造、愛媛県)や「トランプ政権の関税政策にともなう不確実性が高まっており、様々な影響が出ている」(卸売、徳島県)などの声がある。不十分な価格転嫁に加え、トランプ関税への影響を不安視する声もあり、景気DIは一進一退での推移が続くであろう。
・景気DI
『四国』の景気DIは前月比1.1ポイント増の41.4となり、2カ月連続で改善したほか、8カ月連続で40台を維持した。県別では、「徳島」「香川」「愛媛」「高知」の4県すべてで改善した。また、『全国』(43.5)を51カ月連続で下回ったが、全国10ブロック別の順位は7位(前月9位)に上昇した。
・規模別DI
「大企業」は前月比1.6ポイント減の45.6となり3カ月ぶりの悪化、「中小企業」は同1.5ポイント増の40.8となり4カ月ぶりの40台へ、うち「小規模企業」は同0.8ポイント増の38.6となり2カ月連続で改善した。21カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回ったが、格差は4.8ポイントに縮小した。
・業界別DI
主要7業界では、『建設』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』が改善、『不動産』『製造』『卸売』が悪化。『建設』が3カ月連続で改善、『製造』『運輸・倉庫』『サービス』を含めた4業界が40台となった一方で、『不動産』は1年1カ月ぶりに30を割るなど、業界間の格差がみられる。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は42.4(前月41.6)、「6カ月後」は42.5(同42.1)、「1年後」は43.5(同42.5)となり、7カ月ぶりに3指標が揃って改善した。先に進むほど改善しているが、前年同月との比較では3指標が4カ月連続で揃って悪化しており、先行きに対する慎重な見方が続いている。
■香川県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
44.5 | 1.2 | 2カ月連続で改善 |
・概況
『香川』の景気DIは、2カ月連続で改善した。企業からは「深刻な人手不足だが仕事は多い」(サービス)など好況な声が聞かれる一方で、「物価高騰や最低賃金の上昇などで得意先の経営が厳しくなっており、廃業や倒産が増加している」(卸売)や「物価高・円安・燃料高・トランプリスクが懸念」(運輸・倉庫)などの声がある。不十分な価格転嫁やトランプ関税への影響を不安視する声もあるほか、先行きに対する慎重な見方も相まって、景気DIは一進一退での推移が続くであろう。
・景気DI
主要7業界では、『製造』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』が改善、『建設』『卸売』が悪化、『不動産』が横ばい。『サービス』が5年5カ月ぶり、『運輸・倉庫』が4カ月ぶりにそれぞれ50台となった一方、『小売』は6カ月連続、『不動産』は2カ月連続でそれぞれ40割れとなっており、業界間の格差が続いている。
・規模別DI
「大企業」は前月比3.0ポイント増の47.4で2カ月ぶりの改善、「中小企業」は同0.8ポイント増の43.9で2カ月連続の改善、うち「小規模企業」は同3.5ポイント減の41.1となり、3カ月ぶりに悪化した。5カ月連続で「大企業」が「中小企業」を上回り、格差は3.5ポイントに拡大した。
・業界別DI
主要7業界では、『製造』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』が改善、『建設』『卸売』が悪化、『不動産』が横ばい。『サービス』が5年5カ月ぶり、『運輸・倉庫』が4カ月ぶりにそれぞれ50台となった一方、『小売』は6カ月連続、『不動産』は2カ月連続でそれぞれ40割れとなっており、業界間の格差が続いている。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は44.9(前月44.7)、「6カ月後」は44.5(同44.9)、「1年後」は45.2(同45.7)となり、「3カ月後」が2カ月連続で改善した一方で、「6カ月後」「1年後」は3カ月ぶりに悪化した。前年同月との比較では「1年後」が4カ月連続で悪化しており、先行きに対する慎重な見方がうかがえる。
■徳島県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
38.6 | 1.7 | 3カ月連続で改善 |
・概況
「徳島」の景気DIは、3カ月連続で改善したものの、13カ月連続で40を下回っており、改善のペースは鈍い。一方で、先行き見通しDIは、3指標が揃って改善したほか、「1年後」は5カ月ぶりに40を上回っており、先行きへの期待感はある。企業からは、「トランプ政権の関税政策にともなう不確実性が高まっており、景気動向の把握が難しくなっている」(化学品卸)、「家電製品など高額商品の買い控えが顕著」(家電小売)、「地方の不動産がまったく動かない」(不動産)といった後ろ向きな声が残る。徳島県の景況感は、一進一退が続きそうだ。
・景気DI
「徳島」の景気DIは前月比1.7ポイント増の38.6となり、3カ月連続で改善した。前年同月との比較では1.8ポイント増となり、こちらは11カ月ぶりの改善となった。『全国』(43.5)との比較では4.9ポイント低く、全国を下回るのは39カ月連続となった。都道府県別の順位は42位(前月47位)だった。
・規模別DI
「大企業」(45.8)は前月比7.5ポイント減で2カ月ぶりに悪化。「中小企業」(38.1)は同2.5ポイント増で2カ月ぶりに改善、うち「小規模企業」(36.7)は同5.2ポイント増で同じく2カ月ぶりに改善した。「大企業」が50を下回るのは2カ月ぶり。中小企業が40を下回るのは13カ月連続。
・業界別DI
『建設』『卸売』『小売』が改善、『製造』『サービス』が悪化、『不動産』が横ばいとなった。『建設』(51.9)は2カ月連続で改善、13カ月ぶりに50を上回った。『卸売』(37.5)も2カ月連続で改善した。『製造』(36.1)と『サービス』(37.0)は2カ月ぶりに悪化した。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は38.8(前月比0.9ポイント増)、「6カ月後」は39.3(同1.9ポイント増)、「1年後」は41.5(同2.7ポイント増)となった。3指標が揃って改善するのは2カ月ぶりとなった。「3カ月後」は3カ月連続で改善した。「1年後」は5カ月ぶりに40を上回った。
■愛媛県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
41 | 0.7 | 2カ月ぶりに改善 |
・概況
「愛媛」の景気DIは、2カ月ぶりに改善した。特に米不足にともなう代替品需要の増加などの要因で『小売』が大きく改善した。一方で、『製造』の落ち込みが目立っており、「やや落ち着いていた原料が、再度高騰しだした。」(飲食料品製造業)など電力、原材料、物流費、人件費などのコスト増の転嫁が進んでいない様子がうかがえる。2月末に発生した地元の大手製紙メーカーの大型倒産が不安感を招いている面もあり、引き続き一進一退の推移が続くとみられる。
・景気DI
「愛媛」の景気DIは前月比0.7ポイント増の41.0となり、2カ月ぶりに改善した。『全国』は横ばいだったため、県別順位は31位と前月(34位)より上昇した。
・規模別DI
「中小企業」が改善したのに対し、「大企業」は悪化し、規模間格差(大企業-中小企業)は4.1ポイントとやや縮小した。「中小企業」のうち「小規模企業」も改善し、5カ月ぶりに40を上回った。
・業界別DI
回答数が10社を超える5業界中3業界が改善した。『小売』が大きく改善したほか、悪化が続いていた『サービス』も改善した。一方で、『建設』は2カ月連続で悪化したほか、『製造』が4カ月連続で悪化し、9カ月ぶりに40を下回った。
・先行き見通しDI
「3カ月後」が前月比0.2ポイント減、「6カ月後」が同0.2ポイント減、「1年後」が同0.9ポイント増となった。業界別では『小売』『サービス』が全ての期間で前月から改善したほか、『製造』も「1年後」は改善の見通しとなっている。一方で、『建設』は全ての期間で悪化した。
■高知県
今月の景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
39.8 | 1.3 | 2カ月連続で改善 |
・概況
「高知」の景気DIは、前月比1.3ポイント増の39.8となり、2カ月連続で改善した。「ペットケア、特にネコ砂は需要が拡大基調」(製造)など、業種によっては明るい声が聞かれ、景況感の改善に繋がっているものとみられる。ただし、一方で「物価高、資材高騰、新築現場減」(建設)、「取扱商品の需要が長期に亘り低迷」(卸売)など、依然として物価高や資材高にともなう負担増や需要低迷を懸念する声も多く、今後の景況感にも影響してくるものとみられる。
・景気DI
「高知」の景気DIは、前月比1.3ポイント増の39.8となり、2カ月連続で改善したものの、4カ月連続で40を下回った。一方で、『全国』(43.5)を3.7ポイント下回ったほか、『四国』(41.4)を1.6ポイント下回ったが、全国順位は前月の44位から38位に上昇した。
・規模別DI
「大企業」は43.3と前月(54.2)から10.9ポイント低下したが、「中小企業」は39.4と前月(37.3)から2.1ポイント上昇した。また、「小規模企業」については34.2と前月から横ばいとなった。「大企業」と「中小企業」の格差は3.9ポイントで、前月(16.9ポイント)から減少した。
・業界別DI
前月と比較可能な7業界中、「改善」が4業界となったのに対して、「横ばい」が1業界、「悪化」が2業界となった。業界別にみると、『建設』『小売』『運輸・倉庫』『サービス』が前月から改善した一方で、『金融』が横ばいとなり、『製造』『卸売』が各々悪化した。
・先行き見通しDI
「3カ月後」は40.9(前月37.1)と前月を上回ったほか、「6カ月後」も42.1(同40.2)と前月を上回り、また「1年後」についても43.3(同41.1)と同じく前月を上回ることとなった。