レポート第7回 : 東北3県・沿岸部「被害甚大地域」5000社の追跡調査

震災9年時点で、全体の34%、1709社が「休廃業」 ~ 1年前より「休廃業」が49社増加 ~

2020/03/06
BCP

はじめに

2011年3月11日に発生した東日本大震災から9年を迎える。被災3県の中でも特に多数の犠牲者が出た「被害甚大地域(※)」においては、企業活動に与えた影響も大きく、約1700社の企業が休廃業に追い込まれた。その一方で、幾多の困難を乗り越えて事業を立て直し、事業継続企業全体の約6割が震災前の売り上げ水準を回復している。

帝国データバンク仙台支店では、岩手、宮城、福島3県沿岸部の「津波被害が特に大きかった地域」と「原発事故による警戒区域・計画的避難区域(当時)」(※ 本調査における「被害甚大地域」)に本社を置いていた5004社を対象に、震災から約9年経過時点(2020年2月)での活動状況について追跡調査した。

なお、本調査の発表は2011年7月、2012年3月、2013年3月、2015年3月、2016年3月、2019年3月に続き1年ぶり7回目。

調査結果

  1. 震災発生から9年時点で「事業継続」している企業は3295社(構成比65.8%)を数えた。2013年2月(72.8%)をピークに横ばいで推移。2019年2月は3年前の2016年2月(71.9%)より5.1ポイント減の66.8%となったが、2020年2月は横ばい(前年比1.0ポイント減)となっている
  2. 他方、「休廃業」している企業は1709社(構成比34.2%)で、前年調査時(1660社)から49社増加した。増加傾向を辿っており、震災から9年を経て、全体の3割強が実質的な活動停止に追い込まれている
  3. 各県別の活動状況をみると、「福島県」で「事業継続」している企業が489社(構成比40.6%)にとどまり、他の2県(各7割台)と比べて大幅に低いものの、唯一前年比で事業継続が増加(23件)しており、事業再開を果たした企業が僅かだが増えたことがわかる
  4. 震災前の2009年度と比べて、2018年度の売上高が上回った企業は1733社(構成比52.7%)で約半分。「横ばい」企業(193社、構成比5.9%)と合わせて、全体の約6割の企業が震災前の売り上げ水準となっている
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