レポート次期政権への期待

2006/08/07
コラム

脱・属国

2006年7月調査では、今後の金利上昇を危惧する声が多かった。


「ゼロ金利解除で期待が高まるが、住宅ローンなどの金利負担増を考えれば、売上増加に過度な期待はできない」や「国民負担増の政策が目白押しで消費に期待できない」(食品スーパー)、「金利も上昇傾向にあり、割賦金利も上げざるを得なくなると思うので、新車の売れ行きへの悪影響が懸念される」(自動車小売)など。


特に、小売の現場から、金利上昇によりサイフのひもがより固くなることを懸念する声が多く寄せられた。


7月の小売業界は、天候不順から客足が鈍く、夏物商材の売れ行きに響いたことで弱気の意見が多かった。先行きについても期待よりも不安の声が多いのは、やはり今後の金利動向と原油価格の動向、また消費税率引き上げによる消費の減退懸念からだ。


実際に、先行き見通しDIも、3カ月後(44.7)、6カ月後(46.5)、1年後(46.7)の水準は、その他を除く9業界中『建設』と争う低水準となっており、また3指標ともに4カ月連続で悪化と、厳しい見通しが続いている。


テレビの買い換え需要が期待される2011年のアナログ放送からデジタル放送への切り替えなど、なかば強制的な需要発生はあるが、それも一部業種に限られたものである。


小売業界からは、「自民党総裁選が近いが、政権が変わって消費者(弱者)に優しい抜本的な改革がなけければ景気回復はほど遠いと思う。」と切実な声もあがってきている。


次期政権は、是非こうした声をくみ取って欲しい。もう痛みを伴うことは御免だ。

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