レポートTDB景気動向調査2023年8月(北陸ブロック・福井県)

2023/08/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

43.2

▲ 1.8

2カ月ぶりに悪化

概況

「福井」は北陸4県で最大の落ち込みを示した。資材や外注費の高止まりに加え、人手不足に喘ぐ『建設』、電気料金の高騰が収益を直撃する『製造』、仕入販売の業態ゆえに価格転嫁が難しい『卸売』。反面行動制限のない4年ぶりの夏休みで活況をみせる『小売』『サービス』。コロナ明け以降は景況感の2極化が顕著で、企業からは「仕入価格が高騰し過ぎ」「価格に転嫁できない」(飲食料品卸売)等の声も聞かれる。そうした中「福井」では、福井駅前再開発事業や来春の新幹線開業がプラスに作用し、景況感は当面緩やかに回復するとみる。

景気DI

「福井」(43.2)は前月比1.8ポイント減と2カ月ぶりに悪化。コロナ禍以降の最高値を記録した5月をピークに景況感は悪化し今年最大の落ち込みとなった。経済正常化や人流回復のプラス材料よりも原材料価格や電気料金の高止まりがマイナスに作用し、県別順位は26位(前月17位)。

規模別DI

大企業(46.5、前月比3.5ポイント減)、中小企業(42.5、同1.3ポイント減)、小規模企業(42.7、同3.1ポイント減)と全規模で悪化。原材料価格や電気料金の高止まり、中国経済の減速が大企業の収益を直撃し全規模中最大の落ち込み。中小企業、小規模企業は3カ月連続悪化し、中小企業は今年の最低値を記録。

業界別DI

比較可能な8業界中3業界が改善、4業界が悪化。人流回復を背景に『小売』『運輸・倉庫』『サービス』が改善したが、県内の景況感を牽引してきた『建設』が前月比7.8ポイント減と5カ月ぶりに悪化し全体の景況感を押し下げた。建設の悪化幅はコロナ禍が始まった2020年4月の9.3ポイント減に次ぐ水準。

先行き見通しDI

3カ月後(43.6、前月比3.3ポイント減)、6カ月後(44.5、同1.6ポイント減)、1年後(45.8、同2.3ポイント減)と3指標のいずれもが悪化。原材料価格や電気料金の高止まりが今後も続くとの見通しから足下の景気は悪化するとみている。

「北陸ブロック・福井県(2023年8月)」の詳細