レポートTDB景気動向調査2024年5月(近畿ブロック・概要)

2024/05/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

42.6

▲ 1.1

円安の“悪影響”が再燃、 規模間格差は過去最大に並ぶ

概況

5月初めに一服した円安が高止まり気味に推移するなか、インバウンドは『サービス』の起爆剤となっている。一方で、円安由来を含む物価上昇、また、人手不足に起因する賃上げで人件費も上昇しており、多くの業界・業種で「中小企業」の景況感が悪化している。業者間取引では価格転嫁が受け入れられつつあるが、対消費者の観点では、「(所得層により)消費に偏りがあると感じる」(医薬品・日用雑貨品小売、京都府)といった声が聞かれるなど、価格転嫁が消費抑制に作用しており、景気は当面、足踏み状態が続く見通しだ。

景気DI

『近畿』は前月比1.1ポイント減の42.6と、3カ月ぶりに悪化した。全国(43.5、同0.6ポイント減)よりも悪化幅が大きく、ブロック別順位は『東海』『中国』に抜かれて5位へと後退した(前月は3位)。府県別では、都道府県別順位13位となった「大阪」を含む全6府県が全国水準を下回った。

規模別DI

「大企業」(前月比0.3ポイント増)が2カ月ぶりに改善したのに対し、「中小企業」(同1.2ポイント減)は3カ月ぶりに悪化。「大企業」にとってはプラス、「中小企業」にはマイナスに作用しやすい円安が進行したことで、規模間格差は前月から1.5ポイント増の6.2ポイントと、過去最大の3月と同水準となった。

業界別DI

『金融』を除く9業界が悪化。円安や人手不足によるコスト高が顕著な『サービス』、住宅販売に陰りが見える『不動産』が50の大台を割り込み、『製造』は3年ぶりに40を下回った。2024年問題の影響で『建設』は3カ月連続、『運輸・倉庫』も2カ月連続で悪化。『小売』も辛うじて40台にとどまっており勢いがない。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.8ポイント減)、「6カ月後」(同0.7ポイント減)、「1年後」(同0.6ポイント減)の3指標とも2カ月連続で悪化した。規模別では「大企業」の3指標が改善した一方、「中小企業」は3指標が悪化。業界別では6業界で3指標が悪化し、『運輸・倉庫』『小売』『不動産』の悪化が目立った。

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