レポート2023年度長野県企業売上高ランキング〈上位100社・速報〉

はじめに

2023年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が緩和されたことで、凍結、延期されていた設備投資は再開され、人流の回復によりインバウンド需要も高まった。
一方、中国市場の悪化や人手不足の深刻化、リベンジ消費の反動など、長野県企業への逆風も続いた。
その厳しい環境のなかで、長野県内企業の景気DI（TDB景気動向調査）は、2023年4月から2024年3月までの毎月前年同月水準を下回り、2022年4月から8月まで1位であった47都道府県別順位も26位から39位の間で低迷した。
この間、地元大手企業の業績はどう推移したのだろうか。帝国データバンクでは毎年、県内企業を対象に売上高ランキング（上位100社）を作成しているが、今回県内企業の2023年度決算（2023年4月期～2024年3月期）を対象とした売上高ランキングを集計し、動向を分析した。

■金融機関や事業協同組合などは対象としておらず、連結決算を採用している企業もすべて単体の売上高を採用している。売上高については、100万円未満は切り捨てとした

調査結果

1 100社総売上高5兆6820億円、前年度比0.5％の微増
2023年度長野県企業売上高ランキング・上位100社の総売上高は5兆6820億5100万円。記録が残る1985年度以降で最高額となった。伸び率は0.5％と前年度（9.3％）に比べ鈍化した
2 トップ3はセイコーエプソン、ミネベアミツミ、マルイチ産商
売上高トップはセイコーエプソン（株）（諏訪市）。記録が残る1985年度以来、トップの座を維持している。2位はミネベアミツミ（株）（御代田町）。前回100位圏外からランクインしたのは9社
3 増収企業は73社、減収企業は27社、伸び率トップは積水ハウス建設上信越
100社のうち、増収となったのは73社、減収が27社。増収企業は前年度から13社減少、減少企業は16社増えた。伸び率が最も大きかったのは、積水ハウス建設上信越（株）（千曲市）
4 業種別の総売上高、「製造」は4.8％減ながら、全体の過半を占める
「製造」の社数は3社減り、総売上高は4.8％減少した。ただし、総売上高では全体売り上げの58.6％を占める