レポートTDB景気動向調査2024年7月(北陸ブロック・福井県)

2024/07/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

44.2

1.9

4カ月ぶりに改善

概況

繊維や眼鏡、機械メーカーを擁する「ものづくり福井」において、『製造』が「DI30台、全業界中最下位」を3カ月連続記録。企業からは「欧州等の景気減速で在庫調整を受け受注減」(製造)等の声が聞かれる。一方、賞与や賃金の上昇に加え、新幹線開業や夏期の行楽シーズン等のプラス要因が景況感を押し上げ、4業界が好況を示すDI50以上を記録し近年では見られない結果となった。先行きは前述のプラス要因を擁しつつも、人手不足や円安、原材料価格の高止まりを背景に当面は一進一退が続くとみる。

景気DI

「福井」(44.2)は前月比1.9ポイント増と4カ月ぶりに改善、新型コロナ感染症5類移行時の改善幅に次ぐ伸びを示した。原材料の高止まりや物価高に悩まされながらも、新幹線の県内開業効果や行楽シーズンを迎え、賞与や賃金の上昇が景況感を刺激し建設、不動産、運輸・倉庫を中心に幅広い業界の景況感が改善。

規模別DI

「大企業」47.1(前月比1.6ポイント増)、「中小企業」43.4(同1.9ポイント増)、「小規模企業」44.7(同0.4ポイント増)。3指標すべての改善は5類移行時の2023年5月以来。ただ価格転嫁が難しい中小企業の景況感は、2023年2月以来18カ月連続で小規模企業を下回っている。

業界別DI

比較可能な8業界中6業界が改善、仕入価格の高止まりで価格転嫁が難しい衣料や機械器具、飲食料品等の『卸売』の1業界のみが悪化。『小売』が横ばい。反面、新幹線開業効果で『運輸・倉庫』や『不動産』、利上げ効果の『金融』、災害復旧や福井駅再開発の『建設』の改善幅が大きく全体を牽引。

先行き見通しDI

3カ月後(45.4、前月比2.2ポイント増)、6カ月後(45.1、同0.7ポイント増)、1年後(45.4、同0.7ポイント増)と、北陸新幹線開業の3月以来5カ月ぶりに3指標すべてが改善。足下の景況感こそ改善見込ながら、時間の経過とともに景況感は落ち着くとみている。

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