レポート全国私立大学482校の経営実態調査

4割の私立大学が赤字経営~半数の大学が減収を余儀なくされる~

2012/11/19
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はじめに

来春開校予定の「秋田公立美術大学」(秋田市)、「札幌保健医療大学」(札幌市東区)、「岡崎女子大学」(愛知県岡崎市)の新設を巡る動きが話題となった。また、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、債務超過など私立学校法に違反したとして、「堀越学園」(群馬県高崎市)に解散命令を出すよう同省に答申した。解散命令が出れば、学生が通学する大学の経営母体に対して初のケースとなる。
近年は、少子高齢化による大学全入問題や、国からの補助金削減に関連した話題も浮上している。今後生徒数が減少し、補助金も削減となると、全国の私立大学の財務基盤悪化が加速する可能性もある。
帝国データバンクは、全国の私立大学605校1のうち企業概要データベース「COSMOS2」(143万社収録)から抽出された、全国の学校法人の私立大学482校(短期大学を除く)を分析した。

調査結果(要旨)

1. 2011年度の収入高を見ると、「収入高10億~50億円未満」が207校(構成比45.8%)で最多。また、創立100年以上で「10億円未満」となった大学は2校存在した。
2. 損益動向では、黒字大学は213校(構成比59.3%)となった。赤字大学の146校(同40.7%)を上回った。赤字大学(146校)のなかで、「3期連続赤字」が86校(構成比58.9%)となり過半数を占めた。
3. 地域別の大学数を見ると、「関東」が187校(構成比38.8%)でトップ。次いで、「近畿」97校(同20.1%)、「中部」61校(同12.7%)となり、3地域で全体の7割強を占める。

20121119_全国私立大学482校の経営実態調査.pdf

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