はじめに
5月1日、「平成」から「令和」への改元が行われた。約30年続いた「平成」を振り返ると、高い経済成長率を誇った「昭和」から一変、バブル経済の崩壊、さらにその後遺症が長引き、経済の低迷と再生に苦しんだ時代だったと言えよう。不良債権を抱えた金融機関の破綻から始まった平成不況は、景気の冷え込みや賃金抑制、雇用体系の変化を招き、未曾有の金融危機となったリーマン・ショックや相次ぐ大災害も重なった。
この間、記録的な円高や海外新興国の台頭で製造業など第二次産業は空洞化が進み、日本経済は「失われた20年」「失われた30年」とも表現される長い低成長時代を経験。「平成」終盤には、ようやく低迷状態から脱し、IT化の進行に加え、インバウンドの拡大などにより第三次産業も台頭、国内産業は大きく変容した。
帝国データバンクでは今回、企業概要データベース「COSMOS2」を用いて、1989年(平成元年)~2018年(平成30年)における産業構造の変化を企業の売上高ベースでとらえ、国内及び長野県内の状況を分析した。
調査結果
- 国内産業は「サービス業」など4業種で増加、「卸売業」など5業種で減少
1989年~2018年における国内産業の変遷をみると、9業種中売上高の構成比が増加したのが4業種、減少したのが5業種だった。2018年の構成比は「製造業」(27.2%)が最も大きいが、1989年(28.9%)を1.7ポイント下回っている。一方、1989年に9.1%だった「サービス業」は、2018年に20.4%へ伸長、36.3%だった「卸売業」は24.1%へ後退している。 - 県内では「製造業」など5業種で増加、「製造業」は全国を大幅に上回る
同期間の長野県内産業は、構成比が増加したのが5業種、減少したのが4業種。「製造業」は35.3%(1989年)から37.6%(2018年)と2.3ポイント増加し、他の産業を大きく引き離している。「製造業」の構成比(2018年)は、全国の27.2%より10.4ポイント高い。 - 機械系メーカーの伸長目立つ長野県
長野県は「製造業」、特に「機械系製造業」の集積地。「製造業」を細分類し、売上高の構成比(分母は製造業全体)を算出すると、2018年時点で「一般機械」「電気機械」「輸送用機械」の3業種の合計は66.9%に達し、1989年(52.0%)から14.9ポイント増加している。
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