はじめに
2018年もマイナス金利による貸出金利低下などで、金融機関にとって厳しい経営環境が続いた。上場地銀80行の2018年9月期中間決算では、全体の約7割に当たる55行が減益となった。近畿でも2018年9月中間期で地銀、第二地銀8行のうち7行で本業のもうけを示す実質業務純益(単体)が減益となった。そのため、各金融機関ではITフィンテック化の推進、越境融資など、生き残りに向けた模索が続けられている。
こうしたなか、同年には十八銀行がふくおかフィナンシャル・グループ(FG)の傘下に入る形での経営統合が公正取引委員会より正式に認められた。同グループは2019年4月に経営統合を実現させる見通しで、さらに2020年には長崎県を地盤とする傘下の親和銀行と十八銀行の経営統合を計画している。この統合は、今後同一県内での地銀再編におけるモデルケースとなる公算が大きい。大阪府下でも2019年4月1日に近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が合併し、新たに関西みらい銀行が誕生する。今後、地域金融機関では企業との関係構築・深化が一層求められている。
帝国データバンク和歌山支店では、2018年11月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」に収録されている和歌山県内の企業(12,862社)がメーンバンクと認識している金融機関について抽出し、集計した。同調査は2017年12月に続き3回目。
■本調査は「COSMOS2」に収録されている企業のデータであるため、各金融機関がメーンとして取引している実数とは異なることがある。また、一企業に複数のメーンがあるケースでは、企業が最上位として認識している金融機関を集計した。
調査結果
- 和歌山県内の企業がメーンバンクと認識している金融機関のトップは、「紀陽銀行」で全体の63.7%を占めた。「きのくに信金」がシェア16.6%でこれに続き、この上位2行でシェア8割超を占める
- 和歌山県内の企業を本社が所在する4地域別にみると、いずれの地域でも「紀陽銀行」がトップで、「きのくに信金」がこれに続いた。「紀陽銀行」のシェアは「紀北エリア(和歌山市除く)」(66.4%)で最高
- 和歌山県内の企業を業種別にみると、主要8業種で「紀陽銀行」がトップ、「きのくに信金」がこれに続いた。「紀陽銀行」のシェアは「サービス」(67.5%)で最も高かった

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