レポート2012年度 米麦卸業者1748社の経営実態調査

全体で3 割強の大幅減益仕入れ価格の急上昇が利益を圧迫

2013/11/11
食品

はじめに

2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災以来、品不足感からコメの価格が高止まりする傾向が続いてきた。減反制度による作付けの減少もコメの不足感に拍車をかけた。そうしたなか、TPP交渉や減反政策廃止の議論が続いており、今後も米麦卸業者の経営環境は不透明な状況だ。
帝国データバンクは、2012 年度、2011 年度の売上高が判明している米麦卸業者1748 社を自社データベース・企業概要ファイル「COSMOS2」(144 万社収録)から抽出し、分析した。なお、同様の調査は今回が初めて。

※ 米麦卸業者には、米穀卸業のほか麦類卸業を手がけるものも含む。
※ 決算期変更などにより、業績の比較が困難なものを除いた。

調査結果

1. 米麦卸業者 1748 社の2012 年度の売上高合計は、前年度比6.6%増の2 兆4576 億300 万円。東日本大震災以降の米価の高止まりが、販売価格の上昇に寄与した。
2. 当期純損益が前年度と比較可能な米麦卸業者 609 社の2012 年度の最終損益合計は74 億7132万7000 円。急激な仕入れ価格の上昇に価格転嫁が追いつかず、前年度比36.5%減と大幅減少となった。
3. 地域別に見ると、赤字企業の割合が 3 割を超えたのは四国(47.6%)、中部(31.7%)、近畿(30.3%)の3 地域。概ね西日本において業績の悪化傾向が顕著となっている。
4. 米麦卸業者の 2013 年の倒産件数は、10 月までに10 件発生。近年のピークは東日本大震災が発生した2011 年で17 件だった。

20131111_2012年度 米麦卸業者1748社の経営実態調査.pdf

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