レポート【IPO支援企業に聞く】野村證券(株) 公開引受部インタビュー[後編]
~2024年のIPO動向、注目業種やテーマは。IPOを目指す企業が取り組むべき課題とは
2024年のIPO動向や注目される業種やテーマ、今後IPOを目指す企業が取り組むべき課題、そしてIPOの公開価格の設定プロセス制度改正の影響などについて、野村證券株式会社の公開引受部次長、多田寛之氏に聞いた。(前編から続く)
―2024年に入り、日銀の金融緩和策転換や日経平均株価が史上初の4万円台に乗るなど、大きなニュースが続いています。そうした中で、2024年のIPO動向をどうご覧になりますか
日経平均株価の史上最高値の更新や、デフレ脱却に向けた各種の政策、東証が求める資本コストや株価を意識した経営は、海外投資家からも評価されています。中国の景気後退懸念もあり、相対的に日本は堅調という見方がされています。海外投資家の日本株に対する注目度は2024年に入っても高く、資金も入ってきています。
ただし、投資家の関心の中心はセカンダリーマーケット(流通市場)であり、プライマリ―マーケット(発行市場)としてIPOは、正直、そこまでの温度感ではないと見ています。