レポート地域における有力中小企業2017

中小企業をめぐる環境変化、求められる経営力強化

2016/12/25
注目企業

2016年は中小企業の「経営力の強化」や「生産性の向上」がクローズアップされた。背景には、人口減少など国内外で環境が大きく変化するなか、地域経済の活性化のために中小企業の成長が期待されていることがある。そのためには、中小企業が設備投資や人材育成など適切な投資を行い利益を生み出し、成長を続けるという好循環が不可欠だ。しかし、現実には、資金調達や事業承継の問題、人手不足の深刻化などにより、潜在的な成長可能性がありながら苦戦を余儀なくされている中小企業も少なくない。

 そうした状況を改善し、成長に向かうためにはどのような視点や取り組みが必要だろうか。中小企業を取り巻く環境や政策面、アンケート結果を通じて中小企業が持つ課題を見ていく。

1.減少する中小企業

現在、日本における中小企業数は約381万社である(図1)。全事業者数の99.7%を占め、全就業者の約70%が中小企業に就業するなど、文字通り日本経済を支える存在である。とりわけ大都市以外の大半の地域で中小企業への就業者は80%以上となるなど地域経済および雇用を支える基盤となっている。

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