レポート事業継続計画(BCP)に対する栃木県内企業の意識調査(2022年)

栃木県のBCP策定企業は23.8%、全国4位 ~「中小企業」の取り組み広がらず~

2022/07/01
BCP  アンケート

はじめに

2011年の東日本大震災、2015年には関東・東北豪雨、2019年の台風19号災害など、自然災害が少ないと言われる栃木県においても、定期的に大きな被害が発生している。そのたびに、倒産・廃業を余儀なくされる企業は後を絶たず、経済的な損失は莫大だ。一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大では、生産・流通システムの支障や経済活動の制限を受けた。最近ではロシアのウクライナ侵攻により、原材料の高騰や供給不全などが大きな問題となっている。いずれも、事業継続計画(BCP)の重要性に目を向ける契機となり、企業が緊急事態に遭遇したときに、いかに事業を継続させるかを普段から準備しておくことは、極めて重要であると考える。

そこで、帝国データバンク宇都宮支店では、事業継続計画(BCP)に対する栃木県内企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年5月調査とともに行い、今回で7回目である。

■調査期間は2022年5月18日~31日、調査対象は栃木県内企業349社で、有効回答企業数は147社(回答率42.1%)

調査結果

  1.   栃木県内企業における事業継続計画(BCP)の策定状況は、「策定している」は23.8%となり、策定率は全国4位であった。「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計『策定意向あり』という企業は53.1%と、策定に前向きな企業は引き続き増加傾向であることが分かった。業界別では、「建設」39.4%、「製造」34.0%などが策定に積極的であった。しかし、「中小企業」の策定率は21.1%にとどまり、なかなか広がりを見せない実態も明らかとなった
  2.   BCPを「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」を選択した『策定意向あり』の企業に、事業継続が困難となると想定するリスクについて尋ねると、「自然災害」が70.5%でトップ、次いで「感染症」が55.1%、「火災・爆発事故」が38.5%と続いた。自然災害に加えて新型コロナウイルス感染症への対応、そして今回急伸した「戦争やテロ」などが重要な課題であると想定しているようだ
  3.   BCP策定の効果について尋ねると、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が51.4%でトップ、以下「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」34.3%、「取引先からの信頼が高まった」31.4%などが上位となった
  4.   BCPを策定していない理由については、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が47.5%で最多、以下「策定する人材を確保できない」34.4%、「策定する時間を確保できない」29.5%などが続いた。策定自体のハードルが高いというイメージは引き続き強く、対策が必要である
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