はじめに
監査法人指導の下で適正な会計処理が行われていることを大前提とした財務諸表を材料として、企業の業績は評価され、取引先や投資家は判断を行う。しかし、上場企業の不適切会計問題は後を絶たず、公表されている財務諸表への不信感は高まっている。そうしたなか、株価の乱高下など不可解な動きを見せる上場企業とその企業と契約を結んでいる監査法人の動向に注目が集まっている。
今般の東芝の不適切会計問題を機に監査法人へ対する関心がより高まるなか、今後は、監査法人とクライアント企業は、自身の信用低下を回避するためにそれぞれ“クライアント企業の選別”や“金融庁から処分を受けた監査法人を回避”などの動きを見せる可能性がある。
帝国データバンクでは、2015年1月~7月の間に監査法人が異動したことを開示した上場企業60社の市場や異動した監査法人の名称、異動の理由などについて調査した。
■上場企業の監査法人異動調査は、今回がはじめて。
調査結果
- 2015年は7月末までに監査法人が異動した上場企業は60社あったことが判明。市場別に見ると、「東証JASDAQ」が30社(構成比50%)で最多となった
- 退任した監査法人(60監査法人)を見ると、「有限責任監査法人トーマツ」が17社で最も多く、その他では金融庁から行政処分を受けた監査法人が目立った
- 新たに就任した監査法人(60法人)を見ると、「新日本有限責任監査法人」が12社で最も多く、「有限責任あずさ監査法人」、「有限責任監査法人トーマツ」が続いた
- 異動理由別では「任期満了」によるものが54社(構成比90%)で最多となった
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