レポート価格転嫁に関する道内企業の実態調査(2024年2月)

価格転嫁率は43.9% 2023年夏から0.9ポイント後退 ~ 人件費などの上昇続き、価格転嫁追いつかず ~

2024/04/02
物価・価格  アンケート

はじめに

2024年の春闘において、大企業を中心に多くの企業で昨年を上回る水準の賃上げの流れが生まれている。帝国データバンク札幌支店の調査1でも、2024年度に正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある」と見込む道内企業は63.1%と3年連続で増加している。一方で、高めた人件費を適正に商品・サービスへ転嫁することが難しいといった声もあがる。
加えて、長らく続く原材料価格やガソリン、電気代などのエネルギー価格の高止まりは、収益を圧迫し続けており、2023年の物価高倒産は全国で775件発生2。一部の価格転嫁だけでは包括できない状況も生まれていると言えそうだ。
そこで、帝国データバンク札幌支店は、現在の価格転嫁に関する道内企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2024年2月調査とともに行った。

■調査期間は2024年2月15日~29日、調査対象は道内1151社で、有効回答企業数は511社(回答率44.4%)

1 帝国データバンク札幌支店「2024年度の賃金動向に関する道内企業の意識調査」(2024年3月1日発表)
2 帝国データバンク「全国企業倒産集計2023年報」(2024年1月15日発表)

調査結果

  1.   自社の商品・サービスに対しコストの上昇分を『多少なりとも価格転嫁できている』企業は74.4%と7割超となった
  2.   他方、「全く価格転嫁できない」企業は10.6%で依然として1割を超える
  3.   価格転嫁率は43.9%と前回調査(2023年7月)から0.9ポイント後退し、依然として5割超が企業負担
  4.   業界別の価格転嫁率は、「卸売」(61.2%)が6割、「小売」(50.4%)が5割を超えた
詳細はPDFをご確認ください

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