レポート中国地方 2024年の景気見通しに対する企業の意識調査

はじめに

2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、行動制限が撤廃されて幅広く経済活動が正常化し、本格的なポストコロナ時代が到来した。人流の回復によりレジャーやインバウンド需要が国内消費をけん引するほか、半導体不足の緩和による自動車生産の復調は顕著となり、地域経済を下支えした。
一方で、為替は33年ぶりの円安水準を記録し、原油および素材価格の上昇や、生活必需品の高止まりに繋がっている。慢性的な人手不足もサービス価格を押し上げ、物価上昇が長期化するなか、厚生労働省が公表した10月の毎月勤労統計（確報）によると、実質賃金が19ヵ月連続で前年比マイナスとなり、物価上昇が実質賃金を上回り、景気の下押し要因になっている。2024年の景気について、中国地方にある企業の見通しはどうなのだろうか。
帝国データバンク広島支店では、中国5県に本店を置く企業を対象に、2024年の景気見通しに対する意識について調査した。調査期間は2023年11月16日～30日。調査対象は2143社で、有効回答企業数は784社（回答率36.6％）。

調査結果

1. 2024年の景気見通し、「回復局面」は10.3％、2年連続で低下
   「回復局面」「踊り場局面」「悪化局面」とも前年並みに
2. 景気への懸念材料、「原油・素材価格（の上昇）」が64.0％で最多
   「人手不足」（41.8％）は前年の27.3％から急増
3. 景気回復のために必要な政策、「人手不足の解消」がトップの44.0％
   「原材料不足や価格高騰への対策」が36.5％で続く