レポート特別企画 :石川県「休廃業・解散」動向調査(2014年度)

2014年度の「休廃業・解散」は「倒産」の2.9倍 ~ 件数は過去10期で最多の285件 ~

はじめに

2014年度の全国企業倒産件数(法的整理、負債1000万円以上)は、9044件と8年ぶりに1万件を下回った。石川県の企業倒産件数も2期連続して減少、2014年度件数は前年度比21.4%減の99件となった。中小企業金融円滑化法の期限到来後も金融機関の支援が継続していることで、倒産の抑制状態が続いた結果と見込まれ、政策的な支援により「倒産」という形で“ハードランディング”した企業が減少している一方、事態が大幅に悪化する前に企業活動を停止した、“ソフトランディング”に類型される「休廃業・解散」の動向に注目が集まっている。

帝国データバンク金沢支店は、企業概要ファイル「COSMOS2」(146万社収録)から削除されたデータを収録したファイル(「削除ファイル」)を用いて、2004~2014年度の間に休廃業、解散に至った事業者(法人、個人含む)を集計。倒産件数との比較や、業種別、都道府県別、代表者年齢別にその傾向を分析した。

■ 「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない
■ 「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散を確認
■ 「休廃業・解散」は、企業活動停止が確認できた企業のなかで、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース

調査結果

  1. 2014年度(2014年4月~2015年3月)の「休廃業・解散」は、285件判明。前年度(252件)を33件(13.1%)上回り、2期ぶりに前年度比増加となった。同期間の「倒産」(99件)と比べると、件数は約2.9倍に上る。
  2. 種類別にみると、「解散」(86件)は前年度比横ばい、「休廃業」(199件)は同19.9%の増加となった。
  3. 業種別に前年度比をみると、「卸売業」(16.0%)・「建設業」(7.7%)が減少、「製造業」が横ばいとなった。2014年度倒産件数が減少した「製造業」「卸売業」「小売業」「運輸・通信業」「サービス業」のうち、「小売業」「運輸・通信業」「サービス業」は前年度比増加。
  4. 都道府県別に「休廃業・解散」率をみると、トップは「徳島県」で2.442%。北陸3県では「石川県」が20位で1.789%。次いで「富山県」が22位で1.762%、「福井県」は29位で1.696%。
  5. 代表者年代別の構成比をみると、「60代」が41.3%と最も高い。構成比の前年度比をみると「50代」(4.4ポイント)・「70代」(3.0ポイント)の割合が増加した。
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