レポート

2021年の愛知県の「休廃業・解散」動向調査

「休廃業・解散」3068件、倒産の8.4倍 ~“黒字”での休廃業・解散が6割、余力のあるうちに決断する「駆け込み型」休廃業増加懸念~

はじめに

新型コロナウイルス感染症拡大が始まって丸2年が経過した。極端な落ち込みからは回復したものの、経済環境が感染症の動向に左右される状況は依然として続いており、緊急事態宣言などによって営業に規制がかけられた観光業界や飲食店などの対面サービス産業を直撃した。

ところが、各種助成金や補助金のほか、コロナ融資やその後も継続している支援姿勢などの地域金融機関による下支えによって、倒産は歴史的低水準に抑制され、休廃業の発生抑止にも繋がっている。

帝国データバンク名古屋支店は、愛知県で2021年(2021年1~12月)に休廃業、解散に至った事業者(法人、個人含む)を集計。倒産件数との比較や代表者年齢別、業種別に傾向を分析した。


■帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計
■「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称
■調査時点での休廃業・解散状態を確認したもので、将来的な企業活動の再開を否定するものではない。また、休廃業・解散後に法的整理へ移行した場合は、倒産件数として再集計する事もある
■2020年より一部集計対象・基準を変更し、16年までの推移について遡り集計した

調査結果

  1.   2021年に休業や廃業、解散した愛知県企業(個人事業主を含む)は3068件(前年比11.1%減)。コロナ関連融資等による資金繰り下支えが効果を発揮しているが、倒産件数に比べると減少率は小さく、愛知県の「休廃業・解散」は倒産の8.4倍にのぼった。直近期決算が「黒字」だったのは59.9%、「資産超過」が56.2%となり、財務内容やキャッシュにある程度余力を残した“あきらめ休廃業”が増えているとみられる
  2.   代表者年代別では、「70代」が38.6%で最多となった。平均年齢は前年から0.6歳上がって70.1歳となり、70歳を突破した
  3.   業種別では「建設業」(341件)が最も多く、「サービス業」(218件)、「製造業」(204件)が続いた。前年との比較では、すべての業種で減少となった
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