レポート新潟県内企業　新型コロナ禍における「売上高」「利益」比較調査

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大から3年が経過した。5月には、新型コロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同様の5類へ移行するなど、アフターコロナに向けた動きが加速している。この間「巣ごもり」「供給制約」「ゼロゼロ融資」「支払い猶予」「各種の支援金」などが企業業績に大きな影響を与えた。
帝国データバンク新潟支店は2023年5月時点の企業概要ファイル「COSMOS2」（147万社収録）において、「2019年1月～12月期」から「2022年1月～12月期」を調査対象決算期に設定。4期連続で年売上高と利益額（税引後当期純利益）が比較可能な新潟県に本社がある企業7921社を抽出し、各企業の年売上高・利益額を経年で比較・分析した。

＜調査対象決算期の定義＞
①2019年（2019年1月～12月期）＝コロナ前
②2020年（2020年1月～12月期）
③2021年（2021年1月～12月期）
④2022年（2022年1月～12月期）＝最新

■増収の定義＝比較対象年の売上高を500万円超上回る。増益の定義＝同利益額を100万円超上回る

調査結果

1. 「増収」および「増益」の企業＝増収企業が2年連続で増加。増益企業は2年ぶりに前年を下回る
2. コロナ前の決算（2019年）と2022年の比較＝増収企業が全体の36.3％、増益企業は42.2％
3. 業種別＝卸売が「増収」「増益」とも高水準
4. 規模別＝「増収」「増益」とも割合は年商規模に概ね比例して高まる。小規模企業は厳しく