レポートTDB景気動向調査2024年4月(北関東ブロック・栃木県)

景気DI

前月比

今月の特徴

41.0

▲ 2.0

再び悪化に転じる、円安の影響大

概況

「受注は増えているが、人手不足で対応できない。原価が上がっており利幅が取れない」(建設)などの声がある一方で、「土産物などインバウンド需要の増加は見込める。観光事業、旅館、飲食などで回復が見られるだろう」(卸売)と期待の声もあり、様々な意見が寄せられている。確かに賃上げ効果が具体的に表れるのは時間がかかるであろうし、円安や人手不足(2024年問題含む)なども大きな課題である。「倒産」や「休廃業」も高水準が続いている県内状況を考慮すれば、当面は短いスパンでの改善と悪化が繰り返されるのではないか。

景気DI

4月の景気DIは41.0、前月比2.0ポイントの悪化となった。前月改善するも、わずか1カ月で下降に転じており、企業マインドの脆弱感が浮き彫りとなった。賃上げ効果が顕在化しておらず一般消費が心許ない点と、円安が進み、更なる物価高への不安が大きい点が要因と見られる。県別順位も35位まで下落している。

規模別DI

「大企業」46.5(前月46.8)、「中小企業」39.9(同42.3)、「小規模企業」40.6(同44.9)と、全てのカテゴリーで悪化した。活発な経済動向は実感するものの、コスト高と人手不足が大きな阻害要因になっており、事業規模を問わず「儲からない」、「やりたくても出来ない」環境が蔓延している。

業界別DI

業界別の状況は、毎回懸念業界として名前が挙がる『小売』に加えて、『製造』、『卸売』を含めた3業界が30台に転落した。加えて牽引役であった『建設』も▲6.1ポイントと、多くの業界で不況感が高まっているようだ。インバウンドを取り込む『サービス』や、価格転嫁が進む『運輸・倉庫』などでは比較的底堅い様子。

先行き見通しDI

「3カ月後」43.1(前月44.0)、「6カ月後」45.1(同45.9)、「1年後」45.1(同46.7)と、全てで前月より悪化した。「所得税還付や夏のボーナスの効果などを見ないと消費動向はつかめない。円安の影響も大きな懸念材料」という声が多いように、人手不足を含めた先行きに課題が多いと感じているようだ。

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