レポートTDB景気動向調査2024年5月(北陸ブロック・石川県)

2024/05/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

45.0

▲ 0.6

5か月連続で前年同月を下回る

概況

「石川」の景気DIは、能登半島地震の発生から4カ月が経過し、復興事業への期待感や、北陸新幹線の敦賀延伸に伴う観光需要回復への期待感から3月~4月に改善傾向となっていたが、先行きの見通しを含め、慎重な見方に下方修正する企業が増加した。背景としては、長引く物価や燃料価格の高騰に加え、復興事業の見通しが立たないなどの声が多く聞かれた。DIの数値は全国水準よりも高い状態を維持しているものの、景気判断の分水嶺である50から離れていることは看過できず、次月以降の動向も注視していく必要がある。

景気DI

「石川」の5月の景気DIは、前月比0.6ポイント悪化の45.0となった。2カ月ぶりの後退で、前年同月比では5カ月連続で下回る結果となった一方、全国比では3カ月連続で上回った。都道府県別景気DIは、前月の全国8位から2つ順位を上げて6位となったほか、前年同月との比較では11位からの大幅な上昇となった。

規模別DI

「大企業」のDIは53.5(前月53.3)で3か月連続の改善となったが、改善幅は前月より縮小した。「中小企業」は43.1(前月43.6)で3か月ぶりに悪化、「中小企業」を細分化した「小規模企業」のDIは40.8(前月42.3)で再び悪化に転じた。「大企業」と「中小企業」の格差は10.4と拡大した。

業界別DI

8業界のうちDI改善は2業界にとどまり、6業界が悪化となった。能登半島地震の復興事業への期待感から「金融」および「建設」では改善となったものの、直近2か月で改善傾向が続いていた「卸売」「小売」「運輸・倉庫」「サービス」においては、改善から悪化に転じた。また、毎月変動の大きい「不動産」も大きく後退した。

先行き見通しDI

「3カ月後」45.5(前月47.4)、「6カ月後」47.9(同49.0)、「1年後」48.4(同50.2)となり、3指標全てが前月から悪化した。物価および燃料価格の高騰に加え、能登半島地震の復興事業や海外情勢についても先行きの不透明感は否めず、先行きの見透しに対して慎重な姿勢が現れる結果となった。

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