レポートTDB景気動向調査2023年5月(近畿ブロック・滋賀県)

景気DI

前月比

今月の特徴

46.1

1.1

3カ月連続で改善、 『サービス』が改善をけん引

概況

『製造』『卸売』を分野別にみると、「受注状況が一進一退」(鉄鋼・非鉄・鉱業)といった声があるうえ、価格転嫁が進まないなどのリスクが顕在化する化学、繊維、鉄鋼などで停滞感が漂う。他方、インバウンド需要復活を含めた人流の回復が『小売』『サービス』の景況感を押し上げ、『建設』『不動産』にも波及。全体の先行き見通しには明るさが見え、大阪・関西万博が景気回復を後押しするとの期待が高い。ただし、コロナ禍からの脱却でマインド改善が先行している感は否めず、当面の景況感改善は緩やかな推移にとどまる見通し。

景気DI

「大阪」は前月比1.1ポイント増の46.1と、3カ月連続で改善した。景気が後退局面となっていた2019年後半(7月:44.5~12月:40.7)を上回る水準に戻している。都道府県別順位は3カ月連続で17位だったが、改善幅は全国(45.4、前月比0.8ポイント増)を上回り、格差は2カ月連続でプラス圏。

規模別DI

「大企業」(前月比1.6ポイント増)、「中小企業」(同0.9ポイント増)ともに3カ月連続で改善した。規模間格差は2022年3月以来となる3.9ポイントに拡大しており、景気回復局面で「大企業」の回復が先行している。なお、「小規模企業」(同1.2ポイント増)も3カ月連続で改善した。

業界別DI

人流の回復で「空き店舗が埋まりつつある」との声がある『不動産』は2019年5月(52.0)以来の50超え。飲食や宿泊分野に加え、情報分野も好調な『サービス』は2018年11月(54.4)に次ぐ過去2番目の水準に。インバウンド効果もあってアパレル分野などが上向く『小売』は3カ月連続で40を超えた。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.3ポイント増)、「6カ月後」(同0.7ポイント増)は前月に続き改善。「1年後」(同0.3ポイント増)は4カ月連続で改善して50を超えた。業界別では、2025年大阪・関西万博の開催に向けて『建設』『不動産』、インバウンド需要増で『サービス』『運輸・倉庫』が先行きの好転を見込む。

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