レポートTDB景気動向調査2025年03月(北海道ブロック:道東・日胆)

2025/04/03
景気動向  アンケート

■北海道ブロック

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

41.7

-0.1

2カ月ぶりに悪化

・概況

『北海道』の景気DIは、2カ月ぶりに悪化した。企業からは「物価高騰による消費者の買い控えの影響を直に受けている」(農・林・水産)、「需要は悪くないが、主原料および材料価格の引き上げが収益を圧迫している。価格転嫁が追いつかない」(飲食料品・飼料製造)といった声が聞かれる。また、「人手不足で回転率が悪く、売り上げが稼げない」(メンテナンス・警備・検査)といった状況も聞かれるなか、国際情勢の不安定さなども重なる北海道の景況感は今後も踊り場局面が続くとみられる。

・景気DI

『北海道』の景気DIは、前月比0.1ポイント減の41.7となり、2カ月ぶりに悪化した。全国(43.5)との格差(北海道-全国)は▲1.8ポイントとなり、前月から0.1ポイント拡大した。道内では「道東」が38.8、「日胆」が39.7となり40を下回るなど、全体としてDIは伸びを欠いている。

・規模別DI

「大企業」は前月比1.9ポイント減の43.1となり2カ月ぶりに悪化した。一方、「中小企業」は同0.2ポイント増の41.4で6カ月ぶりに、そのうち「小規模企業」は同1.3ポイント増の41.6で7カ月ぶりに改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は1.7となり、前月から2.1ポイント縮小した。

・業界別DI

『その他』を除く9業界中6業界が悪化した。『農・林・水産』は前月比4.4ポイント減の34.5となり、3カ月ぶりに悪化した。『小売』は同1.4ポイント減の35.6となり、3カ月連続で悪化。一方、『製造』は同1.3ポイント増の37.3となり、6カ月ぶりに改善した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.5(前月44.4)、「6カ月後」45.0(同45.6)、「1年後」43.9(同44.3)となり、「3カ月後」が改善し、他の2指標は悪化した。業界別(『その他』を除く)では、『不動産』の「1年後」が唯一50を上回った一方で、『小売』の「1年後」は40を下回った。

■道東版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

38.8

0.2

2カ月連続で、やや改善

・概況

「道東」の景気DIは2カ月連続でやや改善したが、依然として40を下回る低水準となった。企業からは「民間工事が減少の一途だが、公共施設のエアコンやLED化等の公共工事が下支えしている」(建設)などの声があったほか、「物価高による利益の圧迫が著しく価格転嫁をしきれていない」「諸物価の高騰により購入意欲の減少がみられる」(小売)などの声が聞かれた。止まることのない物価高、人材不足の深刻化と人材コスト増、価格を適性な水準に転嫁出来ていない企業も依然として多く、道東の景況感は一進一退の推移が続くであろう。

・景気DI

2025年3月の「道東」の景気DIは38.8で前月比0.2ポイント改善し、2カ月連続の改善となった。『北海道』(41.7)との格差は同▲2.9ポイントで、0.3ポイント縮まった。『全国』(43.5)との格差(道東-全国)は▲4.7ポイントとなった。

・規模別DI

「大企業」(39.3)は前月比2.1ポイント改善、「中小企業」(38.8)は横ばい。うち「小規模企業」(38.5)は同2.5ポイント改善。規模間格差(大企業-中小企業)は0.5と「大企業」の改善によりプラスに転じた

・業界別DI

9業界中、改善は『建設』(41.4)と前月比2.0ポイント改善、『農・林・水産』(35.7)が同5.1ポイント改善。『製造』(33.3)が横ばいで、悪化はそれ以外の6業界。『運輸・倉庫』(33.3)は▲4.8ポイントと最も悪化した。景気判断の分かれ目となる50を超えたのは唯一『不動産』(56.7)であった。

・先行き見通しDI

「3カ月後」41.2(前月40.8)、「6カ月後」42.4(同41.4)、「1年後」40.6(同40.1)と、いずれも改善となった。『北海道』『全国』との比較では「3カ月後」「6カ月後」「1年後」、いずれも下回った。

■日胆版

今月の景気DI

前月比

今月の特徴

39.7

1.4

2カ月ぶりに改善

・概況

「日胆」の景気DIは2カ月ぶりに改善した。企業からは「家具業界は厳しい状況。催事を開催しても以前ほどの集客効果が得られず、結果として経費ばかりがかさむ状態が続いている」(家具類小売)、「ガソリンや電気代高騰の影響が景気を悪くしている」(自動車・同部品小売)といった声が聞かれる。大型物件の建設などに対する期待がある一方で、金利上昇や物価高の影響による消費抑制に対する警戒感は高く、今後の日胆の景況感は横ばい傾向で推移するとみられる。

・景気DI

2025年3月の「日胆」の景気DIは、前月比1.4ポイント増の39.7となり、2カ月ぶりに改善した。『全国』(43.5)との格差(日胆-全国)は▲3.8ポイントとなり、前月から1.4ポイント縮小。『北海道』(41.7)との格差は▲2.0ポイントとなった。

・規模別DI

「大企業」は前月比5.6ポイント減の44.4となり、3カ月連続で悪化した。「中小企業」は同2.2ポイント増の39.2、そのうち「小規模企業」は同2.4ポイント増の36.7となり改善した。規模間格差(大企業-中小企業)は5.2で、前月から7.8ポイント縮小した。

・業界別DI

7業界中2業界が改善、3業界が悪化、2業界が横ばいとなった。『建設』は前月比4.2ポイント増の50.0となり、景気判断の分かれ目となる50以上に改善、『卸売』は同10.4ポイント増の41.7となり、3カ月ぶりに改善した。一方、『サービス』は同4.2ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。

・先行き見通しDI

「3カ月後」44.6(前月40.0)、「6カ月後」44.1(同42.1)、「1年後」41.2(同39.6)となり、全ての指標で改善した。業界別では『建設』の全ての指標と『農・林・水産』の「6カ月後」「1年後」、『製造』の「3カ月後」「6カ月後」が50以上の水準を示した。

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