レポートTDB景気動向調査2024年4月(近畿ブロック・滋賀県)

景気DI

前月比

今月の特徴

44.3

▲ 0.2

2カ月ぶりに悪化、 円安の影響が『製造』『卸売』を直撃

概況

前月まで「大企業」は円安の恩恵を受け、景況感は改善に向かっていたが、1ドル=150円超の円安により輸入コスト上昇の悪影響が及び始めている。全体としても、活況なインバウンド需要、自動車生産の好転といったプラス材料が打ち消されており、物価高も相まって「再三の値上げにより買い控え傾向」(紙類・文具・書籍卸売)の強まりも危惧される状況となってきた。地元の万博関連事業のほか、グローバルな半導体関連受注の回復に期待が寄せられているものの、人件費上昇などが足枷となり、景気改善は緩やかなペースにとどまる見通し。

景気DI

「大阪」は前月比0.2ポイント減の44.3と、2カ月ぶりに悪化。この1年ほど、44を境に一進一退で推移している。全国(44.1、同0.3ポイント減)より悪化幅が小さく、格差(大阪-全国)は2カ月連続のプラス圏に。都道府県別順位は前月の14位から13位へと浮上した。『近畿』では、6府県のトップ。

規模別DI

円安を追い風として、前月に約5年ぶりの50超えとなった「大企業」(前月比2.4ポイント減)が3カ月ぶりに悪化。「中小企業」(同0.1ポイント減)も2カ月ぶりに悪化した。前月に過去最大だった規模間格差は、「大企業」の悪化幅が大きかったため4.5ポイントに縮小したが、11カ月連続で4ポイントを上回った。

業界別DI

9業界中7業界が悪化し、2024年問題に直面した『建設』『運輸・倉庫』の悪化が目立った。また、『不動産』では売買状況が一服。『製造』『卸売』は円安進行の影響が広がった。広告分野などBtoBの落ち込みが目立った『サービス』も悪化した。他方、インバウンド需要の取り込みで『小売』は2カ月連続で改善した。

先行き見通しDI

「3カ月後」(前月比0.3ポイント減)が3カ月ぶり、「1年後」(同0.8ポイント減)が5カ月ぶりに、それぞれ悪化した。「6カ月後」は前月と変わらず。万博の準備工事や、インバウンド受け入れ関連工事で受注環境が良化する『建設』と、価格転嫁進展への期待から『運輸・倉庫』は全3指標が改善した。

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