レポートTDB景気動向調査2024年4月(九州ブロック・熊本県)

景気DI

前月比

今月の特徴

51.9

▲ 1.3

3カ月ぶりに悪化

概況

「熊本」の景気DIは前月比1.3 ポイント減の51.9と3カ月ぶりに悪化したが、景気判断の分かれ目となる50のラインを12カ月連続で上回った。「燃料の高止まり、車両価格の上昇が続く中、2024年問題への対応やドライバーの確保が必要」(運送)と先行きを不安視する声が聞かれる一方で、「TSMCの第2工場建設に伴い建設需要が高まる見込み」(建設)と県内では明るい話題が依然として多い。円安や物価高騰といった不安要素はあるが、設備投資需要が好調なため、景気動向は緩やかな回復傾向で推移していくとみられる。

景気DI

「熊本」の景気DIは51.9で前月比1.3ポイント減と3カ月ぶりに悪化した。『九州』(47.6)に関しても同0.9ポイント減となり、「全国」(44.1)も同様に同0.3 ポイント減となった。なお、「熊本」の都道府県別順位は第2位(前月第2位、前年同月順位第3位)と前月から順位に変動はなかった。

規模別DI

「大企業」の景気DIは58.3と前月比5.0ポイント減となり、「中小企業」も51.5と同1.3ポイント減となった。9カ月連続で「大企業」が「中小企業」の景気DIを上回り、規模間格差(大企業-中小企業)に関しては「大企業」の落ち込み幅が大きかったため6.8ポイントに縮まった。

業界別DI

9業界中、前月から改善した業界は『金融』『建設』の2業界と少なく、『不動産』『製造』『卸売』『小売』『サービス』の5業界が悪化した。『農・林・水産』『運輸・倉庫』に関しては横ばいだった。2024年問題への対応が心配されるほか、急速に進む円安や物価高騰への懸念から悪化した業界が多かった。

先行き見通しDI

先行き見通しDIは「3カ月後」が54.0(前月54.7)、「6カ月後」は54.7(同54.2)、「1年後」は53.7(同53.8)となった。インバウンド需要は好調だが、幅広い業種で人手不足の慢性化がみられて中小企業への賃上げ圧力が重荷となっているため、「3カ月後」と「1年後」が悪化した。

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