レポート栃木県の「連続増収増益企業」調査（2017・18年度決算）

はじめに

2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災、2015年には関東東北豪雨などにより、企業業績は大きな影響を受けることとなった。近時でも米中貿易摩擦や人手不足など、企業は常に様々な環境対応を迫られている。一方では、「アベノミクス」と呼ばれる経済政策により、異次元の金融緩和や大規模な財政出動が行われ、恩恵を受けた企業も少なくない。

景況感に大きく影響する企業業績が、どういう推移をしているかは、マクロ的にも地域社会においても、大きな意味合いを持っていると云えるだろう。県内経済を支える中小企業が、業績を伸ばしているのか・・・非常に興味深いところである。

そこで、帝国データバンク宇都宮支店は、2019年10月時点の企業概要データベース「COSMOS2」（栃木県内企業約2万2000社収録）のなかから、2016年度～2018年度の決算数値が判明した約1万7000社を対象に、最新2期連続で「増収増益」（赤字企業・変則決算除く）となった企業を抽出・集計・分析した。

■売上高・税引後利益は単体べースで集計

調査結果

1.   2018年度（2018年4月期～2019年3月期）決算で2期連続で増収増益を果たした栃木県内企業数は、316社であった。また、増収増益企業の全体に占める割合（増収増益企業出現率）は1.85％となった。
2.   業種別にみると、「建設業」が95社でトップ。以下、「製造業」が80社、「卸売業」が56社と続く。
3.   市郡別にみると、「宇都宮市」が107社でトップ、以下「佐野市」の27社、「栃木市」の25社が続いた。増収増益企業出現率では「佐野市」（2.40％）、「那須烏山市」（2.31％）、「さくら市」（2.21％）が続いた。