はじめに
5月8日に新型コロナウイルス感染症が「5類」に分類され、4年ぶりに行動制限のない夏季シーズンとなった。飲食店や旅館・ホテル、旅客輸送、イベント関係といったBtoC業種では、人出の増加やインバウンド需要の拡大により景況感は回復し始めた。また、半導体を含めた各種資材の不足も解消され始めたことで、生産活動を本格化させて、業績が持ち直した企業も増えつつある。
一方で、昨年から続く電気代やガソリン・軽油を含むエネルギー価格の高騰は、収益を圧迫するなど企業経営に影を落としている。また、令和5年度の最低賃金が全国平均で「1,004円」と昨年度から43円引き上げられ(10月1日より順次)、販売価格やサービス料金の値上げがなければ、中小企業へのさらなる負担増が予想される。帝国データバンクの集計では、価格転嫁を取引先から拒絶されたり、わずかな値上げしか認めてもらえなかったりしたことで、結果的に経営破綻を余儀なくされた「値上げ難型」の物価高倒産は少なくとも23件(2023年1-7月)判明し、前年同期の12件に比べて倍増ペースで推移するなど、価格転嫁が難しい企業の倒産が目立っている。
そこで、帝国データバンクは現在の価格転嫁に関する都内企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2023年7月調査とともに行った。
■調査期間は2023年7月18日~7月31日、調査対象は東京都の4,492社で、有効回答企業は2,008社(回答率44.7%)
調査結果
- 価格転嫁率は42.9% 昨年12月から4.3ポイントの改善にとどまる
- 「全く価格転嫁できない」企業は12.7% 依然として1割を超える
- 卸売業を中心に価格転嫁が進む
詳細はPDFをご確認ください

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