はじめに
近年、地震や台風・豪雨などの自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合の企業活動への影響を想定し、企業活動を休止することなく、あるいは早期復旧させるなどして事業を継続させるため、予め防災・減災対策、災害発生時や発生後の対応措置などに対する重要性が高まっている。
そこで、帝国データバンク大阪支社は、事業継続計画(BCP)に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2016年6月調査とともに行った。
■調査期間は2016年6月17日~30日、調査対象は全国2万3,606社で、有効回答企業数は1万471社(回答率44.4%)。今回は、全国調査分から近畿地区の企業を抽出して分析したもので、調査対象は3,732社、有効回答企業数1,736社(回答率46.5%)。
調査結果
- 普段、業務を行うなかで最も意識している災害は、「地震」が47.9%で最多。さらに、「火災」23.2%、「水害」9.4%など、8割超の企業が自然災害を挙げた。特に「地震」を意識している企業の府県別では「和歌山県」が全国3位となり、大規模地震の発生が想定されている地域で高い傾向が見られた
- 事業継続計画(BCP)の策定状況は、「策定している」企業が13.9%で全国を下回った。「現在、策定中」「策定を検討している」を合わせても45.7%と半数に届かなかった。特に従業員の少ない企業ほど策定が進んでいない
- 災害時における人的資源への対策について、自社で経営者(代表)が不測の事態で不在となった場合、代わりとなる人物が「いる」企業は64.7%。ただし、従業員数「5人以下」では46.1%にとどまり、経営者が不測の事態に陥ることが企業の存続問題につながりやすい状況
- 自社に緊急事態が起こった場合の従業員の安否確認方法は、「携帯電話、携帯メール」が83.8%で最多。大規模地震への対策では、「設備の転倒防止(固定等)」が27.6%で最多。大企業では「避難訓練」が4割を超える
- 緊急事態発生後のキャッシュフローに必要となる売上の1カ月分以上の現預金を災害に備えて保有している企業は43.7%。2割の企業でほとんど保有しておらず、災害復旧時や緊急時にかかる資金手当てに不足が生じる可能性がある
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