はじめに
倒産の減少が進み、2019年は77件と過去最少を更新した長野県。県内企業の景況感は、全国の中でも相当低い水準にとどまるなど経営環境は厳しさを増しているが、倒産の発生は依然として強く抑制されている。倒産ではなく、休廃業、あるいは解散という形で事業活動を終えるケースもある。中小企業庁は、2025年に国内企業の約3分の1が廃業リスクに直面すると試算。一方、倒産と休廃業は、処理すべき債務の有無という点で異なるものだが、境界が曖昧となる傾向も生じている。
帝国データバンクでは今回、2019年(1~12月)に「休廃業・解散」に至った長野県内の事業者(法人・個人含む)を集計し、動向を分析した。
■「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない。
■「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散を確認。
■「休廃業・解散」は、企業活動停止が確認できた企業のうち、倒産(法的整理・任意整理)に分類されないケース。
調査結果
- 「休廃業・解散」は前年比6.4%増の434件、14年連続で400件を超える
2019年に県内で集計された「休廃業・解散」は前年比6.4%増の434件。増加は3年ぶりで、14年連続400件を上回った。434件の内訳は、「休廃業」が224件(前年比10.9%増)、「解散」が210件(同1.9%増)。「休廃業」は6年ぶり、「解散」は5年連続の増加である。 - 「休廃業・解散」した企業、代表者年齢「60代以上」が84.5%占める
「休廃業・解散」した企業を代表者の年代別にすると、「70代」38.2%、「60代」29.4%、「80代以上」16.8%の順。3区分を合わせた「60代以上」は84.5%に達している。 - 「倒産」件数の5.6倍、倍率は調査開始以来最大を更新
2019年の「休廃業・解散」434件は、「倒産」(77件、法的整理、負債1000万円以上)の5.6倍。倍率は2014年の5.1倍を上回り、調査を開始した2005年以降で最大となった。
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