レポートTDB景気動向調査2024年5月(北関東ブロック・栃木県)

2024/05/01
景気動向  アンケート

景気DI

前月比

今月の特徴

40.9

▲ 0.1

2カ月連続で悪化、30台目前

概況

仮に来月のDIが40を下回る事になれば、2022年5月以来25カ月ぶりとなる。形の上ではコロナ禍から脱却しながら、企業業績は決して改善していない様子が浮き彫りとなっている。企業からは「資材高騰が激しく、価格転嫁もままならない。受注しても赤字になる」や、「賃金が上がっても、この金額では消費に回るかどうか疑問。インバウンドは好調のようだが、それだけでは景況感は上がらない」など、マインドは決して高くはない。ゴールデンウイーク以降の消費の後退なども要因となり、しばらくは厳しい環境が続く事も予想される。

景気DI

5月の景気DIは40.9、前月比▲0.1ptとなり、これで2カ月連続の悪化となった。DI値は30台目前の低水準に陥り、全国順位も33位と低迷している。ただし、『全国』も『北関東』も同様に2カ月連続の下落となり、全国的なトレンドとも言える。物価の高止まりによるコストアップが企業業績を苦しめている。

規模別DI

「大企業」43.9(前月46.5)、「中小企業」40.4(同39.9)、「小規模企業」39.1(同40.6)と、牽引役の大企業が低迷し、多くの企業数が所属する中小企業も30台目前であり、企業マインドは大きく毀損している。特に倒産や廃業の増加傾向が著しく、事業規模を問わず利幅が薄い事が要因と言える。

業界別DI

主要業界では、『サービス』(46.0)や、『建設』(45.5)などは受発注は旺盛と言えるが、『運輸・倉庫』は前月比▲6.7pt、『製造』や『小売』は30台に陥っており、厳しい環境を強いられている。特に各業界で業績好調企業と不振企業の格差が拡大し、人手不足が相まって思うような収益が出ていないようだ。

先行き見通しDI

「3カ月後」43.5(前月43.1)、「6カ月後」45.0(同45.1)、「1年後」45.6(同45.1)と、一進一退が続いている。「減税や賃上げ以降初のボーナスなど、一般消費の拡大に期待もするが、円安、コストの高止まり、人手不足など企業を取り巻く環境が悪すぎる」など、マインドの低下が顕著である。

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