レポート特別企画 : TPPに関する道内企業の意識調査

企業の53.0%が日本に必要と認識 ~ 「農・林・水産」の66.7%がマイナスの影響を懸念 ~

はじめに

2015年10月5日、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定が大筋合意された。高い水準の自由化と高度なルールを、世界のGDPの約4割を占める12カ国が約束したことで、関税等の大幅な削減・撤廃が行われ、域内全域に共通のルールが適用されることとなる。TPP協定は、域内市場の一体化が進展し、日本経済の活性化につながると期待されている一方、農産物などにおいては、関税撤廃などによる国内生産者への影響が懸念されている。

帝国データバンク札幌支店は、TPPに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2015年12月調査とともに行った。

■調査期間は2015年12月15日~2016年1月5日、調査対象は1171社で、有効回答企業数は576社(回答率49.2%)。

調査結果

  1. TPP協定の必要性について、日本にとって「必要」と回答した企業は53.0%。また、自社の属する業界にとって「必要」と考えている企業は21.2%にとどまる一方、「必要だと思わない」と考える企業は38.4%で5年前(34.9%)から3.5ポイント増加。
  2. 自社への影響は「マイナスの影響」(13.9%)が「プラスの影響」(11.6%)を2.3ポイント上回った。「影響はない」(35.4%)、「分からない」(39.1%)は、3割~4割近くに達し、自社への影響を必ずしも捉えきれていない現状もうかがわれる。なお、全国ベースではプラスの影響(16.3%)がマイナスの影響(7.3%)を上回っている。
    業種別にみると、マイナス影響は「農・林・水産」(66.7%)がトップ
  3. 想定される具体的な影響としてプラス面は「原材料コストの低下」(34.7%)がトップ。以下、「輸出の増加」「調達ルートの拡大」が続く。マイナス面は「販売価格の低下」(37.4%)がトップ。以下、「売り上げや利益の減少」「新規参入の増加による競争の激化」が続く
  4. TPP協定への対応、企業の81.6%が「検討していない」。業界別にみると、「農・林・水産」では9割弱の企業が何らかの対応策を検討
  5. 対応を検討している企業のうち、52.5%の企業が「TPP関連情報の収集」を検討。以下、「売り上げや収益への影響分析」が4割台、「海外販路の開発・拡大の方法」が3割弱で続く
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