景気DI | 前月比 | 今月の特徴 |
---|---|---|
48.0 | 3.1 | 能登半島地震発生直前の水準まで回復 |
概況
「石川」の景気DIは、能登半島地震発生から7カ月が経てもなお、被害が甚大だった奥能登地区での復興事業は難航している。それでも、復興事業の足かせとなっていた道路事情が徐々に改善されてきたことで復興事業の加速が期待される。また、加賀地区でのインバウンド消費需要のほか、各業界の景況感も、先行き見通しDIではその期待感が表れてきている。ただし、加賀地区と奥能登地区での経済の二極化への不安は払拭できず、各指標も安定して改善傾向を示しているわけではないことから、今後も動向は引き続き注視が必要であろう。
景気DI
「石川」の7月の景気DIは、前月比3.1ポイント改善の48.0となった。3カ月ぶりかつ大幅な改善によって、DIは能登半島地震発生直前の2023年12月(48.1)と同水準まで回復し、2024年1月以降最高となった。全国を5カ月連続で上回り、都道府県別でも前月の9位から順位を5つ伸ばし、4位に浮上した。
規模別DI
「大企業」のDIは52.8(前月54.8)で5カ月ぶりに悪化した一方、「中小企業」は46.8(前月42.1)で3カ月ぶりに改善し、今年最も高い数値となった。さらに、「中小企業」のうち「小規模企業」のDIも44.7(前月38.2)で3カ月ぶりの改善、かつ今年最も高い数値となった。
業界別DI
8業界のうち7業界でDIが改善した。唯一後退した「建設業」でもDIは49.1(前月50.8)で今年2番目に高い数値となった。「金融」、「小売」、「運輸・倉庫」、「サービス」においては、いずれもDIが50を超えており、特に「小売」では、消費税増税前の2014年3月の64.3以来、最も高い数値となった。
先行き見通しDI
「3カ月後」49.1(前月46.1)、「6カ月後」49.8(同46.8)、「1年後」51.5(同47.7)で、3指標とも今年最高となった。特に、「1年後」は2014年7月(52.4)以来10年ぶりの高水準で、復興事業やインバウンド消費需要が景気判断の分水嶺を超える水準まで引き上げたものと考えられる。